髪をうんと短く切ったのは、自分は髪が短かろうとなんだろうとかわいいのであると思うようになったからで、

同時に、化粧をしようがしまいがかわいいのであるという気持ちにもなったので、

いまはどこに出掛けるにもすっぴんで出掛けている。

 

先日友人と、私の好きな居酒屋に行った。

そのとき久しぶりに化粧をしてみようという気持ちになった。

なぜならその子が私からみて少しだけ濃いめの化粧をするかたで、

なんとなく今日はその子に寄せていってみようという気持ちになったからである。

 

例えばちょっと前までの自分は化粧をすることが好きで、

人よりかなり薄い化粧だったとは思うが、

それでも自分なりに好きな化粧品を揃えて(ほとんどプチプラであるが、基礎化粧品系はちょっとええ値段のヤツを買っていた)、

ひとと飲みに行くときなどはウキウキで化粧をしていたのである。

今では、美容らしいことといえば洗顔と少しの除毛くらいで、化粧水すらしていない!

 

私の今のマインドは、化粧をしようがしまいがかわいい、であって、

しないほうがかわいい、するのはおかしい、ではない。

ウキウキで化粧をしていた時の自分のことも、嫌いになりたくないので、

久しぶりにそのときの気持ちを思い出すために、やってみたのである。

 

居酒屋のおかみさんには開口一番、「なんか今日OLさんみたいやね」と言われた。

OLみたいと言われたのは人生初であった。

これまで、「小学生の女の子みたい」とか「親戚の子供に似ている」とか、太陽光で揺れるマスコットに似ているとか、言われたことはあったけれども、

ばっちり刈ったベリーショートヘアに少しのワックスをつけ、化粧も少し濃いめにしてみれば、

そうかOL風にも見てもらえるものか、と驚いた。

嬉しくも悲しくもない、なぜならどんな私もかわいいから。

 

しかしその状態の自分を鏡で見てみると、ふだんの私とは性格が違ってそうに見えた。

私らしい外見は、やはり、化粧をしていない顔だなと思った。

 

 

 

 

 

たいていどこへ行くにも化粧をして、近所のスーパーやコンビニくらいならすっぴんで出掛ける、というのがかつての私であったが、いまの、

どこへ行くにも化粧をしない。時々ウキウキ気分の時だけやってみるのはアリ。

というスタンスの方が、

自分にとってはとても楽で、自然なことだ。

 

化粧をしなければ、化粧崩れを気にする必要がない。

汗をかけば、すきなだけタオルで拭くことができる。

ドラッグストアに寄ってみても、たいてい4分の1ほどを占めている化粧品コーナーが、

自分と全く無関係のものになり、素通りすることができる。

これまでは、ウキウキ気分で新しい化粧品をチェックしていた、つもりであったが、

化粧品売り場に見向きもしないということは、予想外の開放感を得られることであった。

肩の荷が下りたかんじである。

 

 

 

 

 

この文章を読んでいただいて、少しでも、ええやん(けど私には無理やろな、でもちょっとうらやましいな)くらいに思っていただいたかたは、

まず眉毛をうんと生やすところから試してみていただきたい。

眉毛が極端に不足していなければ、すっぴんも自然に見えるはず。

 

あなたの中身を見てくれるひとは、あなたの素顔を見てかわいいと感じるはずだし、

そう感じないひととなど、付き合う必要がないのである。