小学3年生のフィンランド留学体験記 第七章 5月 9.ナイトスクール!お泊り会 | フィンランドに1年住んでみる(在外研究)

フィンランドに1年住んでみる(在外研究)

~子連れフィンランド滞在記~
1年間家族でフィンランドに住みました(2022年10月〜2023年10月)。
準備からフィンランド生活について思ったこと、
感じたことの記録
趣味の4コマを投稿中

 

登場人物

エンミ先生:担任

エレナ:同い年のクラスメイト

ジェレン:4年生のクラスメイト

アラン:2年生のクラスメイト。親友。

フランチェスコ:5年生のクラスメイト

マリアム:5年生のクラスメイト

ジェシアン:4年生のクラスメイト

バンカ:4年生のクラスメイト

ブレタ:5年生のクラスメイト、ジェシアンの姉

カリナ:サポートの先生

 

9.ナイトスクール!お泊り会

 

 5月中旬にお泊り会があった。4年生と外国人クラスが参加し、校舎に1泊した。お泊まり会の日は朝からクラスメイトがそわそわしていた。特に女の子たちは「早く夜にならないかな。」とお泊り会が待ちきれない様子だった。お泊り会の話をエンミ先生から聞いた日から女の子たちは誰が参加するのか調べていた。僕はエレナにもジェレンにも参加するか聞かれ、その子たちが他の子に伝達しているのを見た。残念ながらアランはお泊り会には参加しないそうだ。13時15分に学校は終わり、一度帰って支度してまた17時に登校した。持ち物は結構多かった。パジャマ、歯ブラシセット、まくら、ブランケット、ベッドシーツとマットレス、カードゲーム、自分の好きなお菓子だ。ほとんどの子が親に車で送ってもらっていた。大きなスーツケースを転がして来る子も多かった。

 まず、全員が1か所に集められて先生の注意事項を聞いた。その後は希望者のみ外に出てサッカーの試合をした。2チームに分かれた後、そのチームのリーダーがチームメイトのポディションを決めた。僕はフランチェスコとマリアムとボランチをやることになった。それからどう動くのか作戦会議をした。すごい!思っていたよりもやることが本格的だ。試合が始まってすぐ2点取られてしまったけれど、僕たちのチームは後半で2点を取り返した。しかも両方外国人クラスのメンバーが決めた。1点はマリアムが入れた。「もう!サッカーなんて嫌!」と言いながらマリアムが蹴ったボールがそのままゴールに入ったのだ。両手で口を抑えて「えー!入っちゃった!」驚くマリアム。その試合で一番笑いが起きた出来事になった。2点目はジェシアンが入れた。試合は2-2の引き分けで、最後はPK戦になった。5人のメンバーはチームのリーダーが決めた。必死の応援も虚しく、僕たちのチームは5-4で負けた。「りくとーこっちに来てー!」とトルコ語を話す女の子集団に呼ばれて行ってみると、バドミントンのような遊びに誘われた。ラケットやシャトルは女の子集団が家から持ってきたらしい。ラケットはバドミントンより短かった。フランチェスコもやって来て一緒に遊んだ。その遊びに飽きた女の子集団たちにまた「りくとーこっちに来てー!」と呼ばれ、今度はケイドロをやることになった。これには4年生も入り大人数で遊んだ。女の子集団の1人のバンカが警察に捕まってしまい、助けるために女の子集団と一緒に奇襲をかけて見事警察に捕まっていたバンカを助けることに成功した。

 その後は全員が校舎に戻り、ダンスパーティーが開かれた。夕食はピザ!予めエンミ先生にクラスメイトとリクエストしておいたパイナップルピザがたくさんあった。また「りくとーこっちに来てー!」と女の子集団に呼ばれ、僕は女の子集団と一緒に食べた。後からジェミフルも入って来た。僕たちは母国語クイズをし合ってたくさん笑った。僕がエレナに日本語クイズを出すと、エレナが思いっきり答えを外したので「おいおいエレナ~」と変な顔をしてちょっかいをかけるといつもあまり笑わないエレナが大笑いをした。あんなに笑うエレナは初めて見た。その後はピザの交換が始まった。バンカが食べられなかったピザを僕がもらい、僕のピザはブレタが食べた。みんな色々な味を楽しむことができた。

 お腹いっぱいになった後は体育館を使ってまたサッカーをした。それから校舎全部を使ってかくれんぼもした。かくれんぼには先生たちも参加した。僕はジェレンとエレナと行動を共にした。最後まで3人で誰にも見つからず隠れきることができた。食堂ではおやつパーティーも開かれた。みんな持参したおやつを披露し、交換して色々な種類のお菓子を食べた。僕は祖父母が送ってくれたおっとっととじゃがりこを持て行った。赤いパッケージのおっとっとを見てエンミ先生が「これ辛いの?」と聞いてきて可笑しかった。フランチェスコはおっとっとが気に入ったみたいで「あれ食べていい?」と何回も聞いてきた。僕はエンミ先生とカリナにじゃがりこをあげた。2人とも「美味しい!」と喜んでくれた。他の子はポテトチップスやチョコレートを持って来ていた。クラスメイトの中には豚肉が食べられない子がいて、そういう子は他の子からお菓子をもらうのを避けていた。全員で夕食とおやつパーティーの片付けをして、食堂がきれいになると、みんなで「お疲れ様!」と拍手し合った。掃除をして拍手し合うなんて日本でこんな光景見たことがない。とても新鮮だった。驚く僕の顔が変だったのか、女の子集団に「りくとの顔見てー!」と笑われた。拍手が鳴りやまないうちに1人の4年生の男の子が食堂の机に立ってカーリアの「Cha Cha Cha」を歌い出した。全員ノリノリで「Cha,cha,cha,cha,cha,cha,cha♪」と一緒になって歌い出し、大合唱。このカーリアの「Cha Cha Cha」はフィンランドで大ヒットしている曲だ。先週イギリスで開かれたユーロヴィジョン・ソング・コンテストで惜しくも優勝は逃したものの、カーリアは一番会場を盛り上げた。4年生は頭をぶんぶん振って机や椅子を蹴って踊りまくっていた。先生がそれを全然注意しないのにも驚いた。普段は大人しい人が多いフィンランド人だけど、音楽は激しい曲が好きらしい。

 「Cha Cha Cha」を2回熱唱した後、男の子は体育館、女の子は音楽室で寝ることになった。歯磨きをして寝具を準備し、5分間のまくら叩きをしあった後23時に消灯した。驚いたのはほとんどの4年生がぬいぐるみを持ってきていたことだ。男の子もぬいぐるみと一緒に寝ていた。それから、だいたいの男の子は上半身裸で寝ていた。中にはゴホゴホ咳をしている子もいて、上のパジャマも着れば良いのにと思った。

 朝は4時に目が覚めた。他にも起きている子が結構いた。僕が寝た体育館にはカーテンがないので、窓から太陽の光が差し込んでいた。6時頃にはほぼ全員が起きて、食堂で昨日の余りのピザを食べた。その後はフランチェスコとボードゲームをして遊び、8時半にお泊り会はお開きになった。フランチェスコは全然眠れなかったらしい。少し具合が悪そうに見えた。僕も家に帰って昼寝をした。お泊り会が終わった日はフィンランドの祝日だったので家でゆったり過ごすことができた。そして、お泊り会に参加した子は全員その週の金曜日学校が休みになった。

 

りくとが歌ったCha Cha Chaはこちら↓