小学3年生のフィンランド留学体験記 第五章 3月 21.ラマダン | フィンランドに1年住んでみる(在外研究)

フィンランドに1年住んでみる(在外研究)

~子連れフィンランド滞在記~
1年間家族でフィンランドに住みました(2022年10月〜2023年10月)。
準備からフィンランド生活について思ったこと、
感じたことを書き留めていきたいと思います!

 

登場人物

ジェミフル:2年生のクラスメイト。

アラン:一番仲良しのクラスメイト。2年生。

 

21.ラマダン

 

 イスラム教の断食月ラマダンが始まった。クラスメイトのイスラム教の子たちは昼食時、食堂に降りてこなくなった。トルコ人の女の子たちばかりいた食堂の席はがらんとして、僕は毎日ジェミフルと2人で食べている。僕より体の小さなジェミフルは少ない量しか食べないから、すぐ食べ終わってしまう。そして、ジェミフルは僕が食べ終わるまで待っているから焦ってしまう。最近僕は満足な量が食べられていない。イスラム教のクラスメイトが教えてくれたんだけど、ラマダンではお日様が出ている間は水以外口にしてはいけないらしい。アフリカとか食べたくても食べられない子供たちの事を考える期間だということも教えてくれた。クラスメイトの考えを聞いて、僕も食べられない人たちのことを考えないといけないなと思った。

 フィンランドに来てから、僕は日本にいる時より色々な人種を見て、その人たちの国の文化にも触れることができている。外国人クラスに入っているというのも大きいけれど、フィンランド人クラスにも外国出身の子がたくさんいる。宗教によって食べられるものが違うから、給食にもきちんと表示がされていたり、女の子はヒシャブを被っている子が多かったり、同じジェスチャーでも意味が全然ちがったり、日本では気づくことができなかった外国の文化が今はとても身近に感じる。そして、その文化の違いを尊重し合うのも大切だなと考えるようになった。アランの家に遊びに行った時、アランのおじさんが故郷のイラクの映像を見せてくれた。岩山に緑がたくさんあるとても綺麗なところだった。日本にはない風景だ。僕はアランの故郷を一目見て気に入ってしまった。世界はまだまだ僕の知らないことばかり。僕の知らなかった世界は思っていたよりずっとずっと広くて、面白い!