私は中央線に乗っていた。
夜の上り方面はなかなか空いていて
私は座ってボーっとしていた。
他の乗客もみな大人しく座っており
とても静かな帰路だった。
それぞれ暇つぶしをしていたが
確率でいうと
30%がうとうと
5%がボー
あとの65%はなんらかの機器
まあたいていがスマホをいじっていた。
私はこの
“スマホをいじる”という行為が好きではない。
確かに私もスマホを持っているし
用があれば見るけれども
スマホを見る姿は、どうにも美しくない。
胸をはって姿勢よく、40センチ以上離して見るならまだいいが
日本人はもともと姿勢が悪い上に
冬ということもあって、口が開いている人も多い。
そんな姿で小さな画面にかじりつく姿は大変醜い。
と私は思っているので
どうしても外せない用以外のときは
公共の場でスマホは見ないことにしている。
さらに内容がいけない。
スマホで日経を読んでいるならまだしもだ。
私の統計による「スマホでしていることランキング」(盗み見とも言う)は
5位・携帯書籍
4位・インターネット
3位・なんらかのSNS
2位・メールorライン
1位・ゲーム
である。
ゲームがいけないとは言わない。
言わないが
ゲームはいけない。
テレビゲーム、スマホゲームは
一種の麻薬だと私は思う。
私には6歳と4歳の甥がいるのだが
この二人は人間としてとても純粋で
ある意味動物に近い。
私にとってとても良い実験サンプルなわけだ。
この二人にテレビゲームを与えた。
今まで、はねるとか走るとかしか遊ぶ手段がなかった彼らにとって
次々と刺激を与え、指先だけで達成感を味わわせてくれるゲームは
これ以上ない娯楽になった。
早く達成したい、次に行きたい、興奮を味わいたい
そんなモノが彼らの脳内を支配してゆく。
それを一週間続けた。
彼らは変わった。
まず探究心がなくなった。
どうしてだろう?知りたい、調べたい、という気持ちがなくなり
何か質問しても考えもせず「わからない」と答えるようになった。
せっかちになった。
どちらかというとのんびり屋だった長男も
私の緩慢な動作に小言を言うようになった。早く終わらせてゲームがやりたいのである。
競争心が強くなった。
これは一概に悪いとは言えないけれども
「勝ち負けが全て。早く勝つのがえらい」となるばかりに
ズルをしたり、自分が有利でなければリスタート、ということも平気でやるようになった。
暴力的になった。
ゲームの内容はいたってファミリー向けのものだが
長く興奮状態におかれ、更にそれを中断されると激しく怒る。
当初からゲーム時間は1時間だと言われていたのに
「まだやりたい」と言ってきかず
大人しい次男が母親に手をあげるという暴挙にまで至った。
もともと次男は甘味への執着心が強く、依存心が強い。
砂糖も麻薬の一種である。
そんな結果だった。
だが子供のいいところはやり直しがきくということで
いったんゲームを離し大量の本と遊び道具を送った。
そして私や親たち自身が彼らの娯楽となるように工夫を凝らした。
(横道にそれるけど、ゲームを簡単に子供に与える親って、子育ての手抜きだと思う)
すると一週間後、二人はもとの優しい、賢い子供に戻った。
子供に関しては
経済力もないので、自分で娯楽を購入できない、というところにも
更正の余地があるのだと思う。
やっかいなのはティーンエイジャーと20代で
自分の意思で娯楽を仕入れることができる。
だが私もそうだけど
若い脳は興奮しやすく、さめにくい。
あのスマホの画面だけでも、脳には強い刺激で
私もしばしば眠れなくなったりする。
心理学者のメグ・ジェイ(アメリカ)のプレゼンテーションにもあったように
20代を無駄に過ごしてはいけないと私も思うのだ。
もちろん10代も。
知識を増やしたり
自分を磨いたりしなければならぬ時期に
ない暇を潰してはいけない。
スマン。私もちゃんと彼氏探す。