って職場の同僚のTちゃんと話したんだ。
母の介護をしているとき、私は鬼だったって。
そしたら、私だって鬼だったよ、介護や看病をして家族を亡くしてみると
みんなそう思うんだよって。
Tちゃんは40代のころご主人を亡くし、女手一つで二人の子どもを育てている。
そして、最愛の弟さんを白血病でなくしているのだ。
彼女にはお姉さんもいるのだけど、闘病中の弟さんに心無い言葉をかけたからと言って
お姉さんの事は許せないって言ってた。
聞いたら、Tちゃんは弟さんのために骨髄移植までしているらしい。
すごいなー、Tちゃん。
でもそのお父さんを病院に連れていくときに、弟さんが
「Tちゃんが車で送ってくれればなぁ」って言ったらしくて、
でもTちゃんはその頃弟さんの看病や子育てで目いっぱいで。
免許は持っていたけど、マニュアル車の弟さんの車は運転できないし、
ほとんどペーパードライバーだったらしく。
それでも毎日必死に生活していたTちゃんは、
思わず弟さんに「私、マニュアル車は運転できないし、軽でも買ってよ」って
行ってしまったらしい。
そのあとの弟さんの悲しそうな顔を見て、自分は鬼だと思ったって。
そう、腰椎を骨折して、自分では動けない母が、
私しか頼れなくて、体の向きを換えたくて私の事を呼んでいたのに、
大きな声で怒鳴ってしまった私。
Tちゃんの言葉を聞きながら、もう涙があふれてきそうで必死にこらえたよ。
Tちゃんは母が亡くなった時も、ものすごく私の事心配してくれて、一緒に泣いてくれた人。
相手の身になって、一緒に涙を流す、そんな子なんだ。
私が両親を介護しているとき、廊下でケアマネさんや看護師さんと話しているのを
いつも聞いていたんだって。
介護頑張ってるんだなって思ってくれていたんだって。
私はそんな立派な人間じゃないよって言ったんだけど、
Tちゃんの言葉に、少しだけ心がほぐれたきたした。
少しだけ、ほっとした。
わかってくれる人がここにいるんだって。
だからTちゃんがまだ40代で旦那さんを亡くして、
毎日泣きながら頑張っていたことを知っているから。
その頃まだ生まれたばかりの子も、もう小学生になったらしい。
Tちゃん、どれだけ頑張ったんだろう?
もう死にたいって言っていたTちゃん、子どもたちのために歯を食いしばったんだな。
相手を思いやる本当に優しい子なんだ。
私は自分の事ばかり。
当時は鬼だったかもしれない私やTちゃん。
弟さんや母のこと今ならわかるよ。
ごめんねって思いながらも必死で生きているよ。
だからTちゃんの弟さん、そしてお父さん、お母さん
安心して、私たちを見守ってね。
鬼という言葉から始まったけど、仏様のようなTちゃんに癒されて
私はもう少し頑張ってみる。
Tちゃん、ありがとう。
そしてTちゃんの弟さん、お父さん、お母さん、どうか安らかに。