あども。

 

好きな棚は「大陸棚」のマリリンです。

 

 

さてさてあれは、年の瀬迫る12月21日のこと。玄関先からウチの人の叫び声が!

 

何ごとかと駆けつけてみると、壁を這うアオムシ。ウチの人の慌てように、写真撮りそこねたので再現図。

  

 

垂直の体勢で動かない。もしかしたら、蛹になろうとしてるのかも。このアオムシ飼いたい!だって羽化が見たいもん!見たことないもん!

 

そういえば、実家からもらってきた大根を玄関先に置きっぱなしだった。この葉っぱについてたのが這い出してきたのかも。

 

 
そのまま壁で蛹になって羽化して、玄関先でヒラヒラ飛んでくれたら素敵だなと思ったけど、ウチの人が猛反対。しかし虫かごも飼育ケースも持ってない。いざというときのために常備しておくべきだなと猛省。
 
さてどうするか。靴下で部屋に滑り込み、アオムシを安全に飼育かつ観察しやすそうなケースを大急ぎで探したところ、セリアで買った透明の蓋付きマステケースがよさげ。密封容器ではなく蓋の間に隙間も開いてるし、酸素供給も大丈夫だろう。きっと。
 

(数年前に購入したものなので、現在も売られてるかどうかは不明です。)
 
 

というわけで、こんな感じでアオムシを飼い始めた。室内に入れてしまうとポカポカ春が来たと勘違いしてしまうといけないので、そのまま玄関先に置くことにした。小学生の頃、シャーペンの芯ケースの中でありんこ飼ってた男子がいた。彼の気持ちが今はとてもよく分かる。

 

 
食べるかどうかわかんないけど、ついてきたであろう大根の葉っぱを入れてみたら、排泄もできてる。ちゃんと暮らしはじめたってことだな。ボディ側面の細かな模様などから検索してみて推測するに、スジグロシロチョウの幼虫っぽい。ネット情報すごい。
 
飼い始めた日がわかるように、マステに日付を書いて貼っておくことにした。
 
 
 
そして飼育開始から3日目のクリスマスイブ、お尻と胴の両サイド、計3箇所に白い点が出現。もしかして、早くも蛹になる体勢に入ったか!体に安全帯を巻いて3点を固定したら姿勢が安定するって、本能で知ってるのすごいよ親方。形も「アオムシ」から「蛹」っぽくなってきた気がする。
 
 
プラスチックに細かいヒビが入ってるように見えるけど、よく見ると綿あめみたいなもわもわが。辺りに糸を吐いて体に巻き付けながら、蛹になる体勢を決めたのかな。急に綿あめ製造機が欲しくなってきた。
 
 
 
飼育開始から5日目。お尻の方から色が変わってきた。まさか…腐り始めてるんじゃないよね…。
 
 
下から覗いてみると、ツン!とトゲみたいなのができて、お尻も尖り、さらに蛹っぽくなってきたのがわかった。360度丸見えの透明ケースにしといてよかった。
 
 
ほらもう、完全に蛹!きっと大丈夫。このまま玄関先で冬を越して、春に羽化するのかな。ケースの天井にぶら下がって蛹になって、重力を利用して蛹から抜け出る作戦かも。感心しかない。
 
(蛹型の寝袋つくりたいなと思ったけど、既にあった。悔しい。)
 
ちなみに、この蛹の中はドロドロの液体になっていて、羽化するまでに頭、触覚、胸、腹、脚、羽など、蝶の各器官が形成されるらしい。蛹型ジップロックならまだ間に合うか。需要はないだろうけど。
 
ネット情報には「一週間から10日くらいで羽化する」というものもあった。「もしかしたら…ハッピーニュー羽化〜!」になるかと期待したのだが不発…。蛹のまま新年を迎えた。
 
1月中旬には、今季最強の寒波がやってきて庭にも一面霜が降りた。
 
 
このまま羽化しなかったらどうしよう…。アオムシのまま、外に放してあげるべきだったか。でもそうしたら、この凍てつく世界では生きられなかったかも知れない。自然との共生は難しい。出かけるたびに玄関先の蛹が視界に入りツラい…。そうして、少し寒さが緩んだ1月28日のことだった。
 
帰宅すると…う……羽化してるっっっ!!!
 
 
 
興奮に慌てふためく様子は、動画でどうぞ。
 

 

 
 
その瞬間は見逃しちゃったけど、どうやら羽化したてほやほやの様子だったので、急いで日向にお連れして、ぽかぽか陽気の中、しっかり羽を乾かしてもらうことにした。 飛び立てるようになるまで、どのくらいの時間が必要なんだろう。
 
 
 2時間半くらい様子を見ていたが、飛び立たず。夜になって冷え込み…翌朝、また霜が降りた。蝶は大丈夫だろうか。昨日の場所に行ってみると、いた!ちゃんと羽を太陽の方向へ向けてる。昨日より、うんとたくましくなった気もする。昆虫すごいや。
 
 
まだじっとしてるのでつぶさに観察できる。ストローや眼もはっきり見える!感動!アオムシ飼ってみて良かった!ほいでこれ「スジグロシロチョウ」で合ってる?わかる人いたら教えてね。
 
15:20に確認したら、まだいた。
じっと観察していたいけど、用事に追われ…。
 
16:52、いなくなってた…。
この1時間半ほどの間に旅立ったらしい。

飼育開始から39日目、蛹になってから34日目のことだった。

その瞬間は見逃してしまったが、なんだか胸いっぱい。突然のお別れ。急に寂しさが押し寄せる。大自然、待ったなしだ。
 
 
 
マステケースの天井に残された、抜けたあとの蛹。パカッと背中のハッチが開いてるのがわかる。
 
 

旅立った蝶が無事にパートナーと出会い、卵を生んで、また新しいアオムシが生まれて…。ウチの作物、少しなら食べてもいいよ。

 
 
春は不意にやってくる。