シリーズ第1作
結びたい縁もあれば、切りたい縁もある。
「えにし屋」は、人の縁(エニシ)を結んだり切ったりする商いをしています。主人の才蔵(サイゾウ)、子分のお初(ハツ)でひっそりと。
油屋の女中おまいは、店のお嬢さんがお見合いの前日に行方不明となってしまったため、かわりに、お見合いに行くことになります。「えにし屋」のお初と一緒に、お見合いに向かうおまいのお見合い相手とは‥
「えにし屋」に気弱そうな若い武士が来て、妻と縁を切りたいと言う。お初が事情を聞くと「妻は人でなく化け物だ」そう語った武士は川で溺死体で見つかります。
お初の生い立ちが明らかになります。両親は盗賊団に殺され家を燃やされた。両親を亡くした少年を救ったのが盗賊団にいた才蔵でした。盗賊団から身を隠すため女装します。不思議な能力を持ち、凄惨な生い立ちがドラマチックすぎてドキドキ。
その時の盗賊団の生き残りが、「えにし屋」を訪れた武士を事故死と見せかけて、殺害したかもしれない、とお初は内密に調べ始めます。
その武士の妻は本当に化け物なのか。
事件を操っているのはだれか。
夫と妻の気持ちのすれ違い‥
もしかしたら「えにし屋」が、もつれた縁を結び直すことができたかもしれない。お初は、縁を結んだり切ったりすることの難しさをかみしめているようです。
甘くはない、ほろ苦さと切なさのある物語。

