『遠野物語』を京極夏彦がリミックス

柳田國男が集め著した不可思議な説話や怪奇譚を深く読みとき新たに結ぶ。

 

 

新しい言葉を挿入する

語りの順番をかえる、という

リミックスの手法で『遠野物語』を現代に甦らせる。

 

彼の故郷は、遠野と謂う。

遠い、野と書く。

どこから遠いのか、どれだけ遠いのか、判らない。

 

山々に囲まれ時の流れからも隔離された奥深い地域を想像していましたが、栄えた城下町でもあるとのことです。

 

遠野の山には山人(ヤマビト)が棲んでいて、山人は人の姿だけど人ではない。峠を越えるときに山人、山男や山女に出会うと恐ろしい思いをするといいます。

 

栗拾いに山に入った娘が、不気味な人に攫われたと言う。異様に背が高く、目の色が凄かったそう。

 

山男は、大きな大きな異形の男

山女は、歩き方も髪型も衣服も人とは違う女

 

河童、猿、御犬=狼、狐、鹿、鳥‥

座敷童衆(ザシキワラシ)、白鹿(ハクロク)、天狗‥

マヨイガという山中にある不思議な家は幸運をもたらす‥

ヤマハハに喰われる娘‥

 

遠野や近郊のさまざまな伝承が集められていて興味深いです。

 

異界としての「山」

この世のものではないものが住む場所

 

山神についても述べられています。 背が高く真っ赤な顔で眼が爛々と輝いている。行き遭った場所か、祟りを受けた場所には、山神を宥めるために石塔を建てるとのことです。神を傷つけると祟るから。

 

なるほど‥山神は祟る神なのかもしれませんね。江戸時代は山神を祀る祠や石があったらしいけど、今は見かけなくなりました。山神って何だろうと思っていましたが、祟りを避けるためだったのかもしれません。

 

『一目小僧』や『海上の道』に比べて手強い『遠野物語』

今まで何度かチャレンジして挫折。明治時代の文章に阻まれた感じですが、ようやく読み終えることができて良かったです。

 

たとえば、原文の「長き黒髪を梳りてゐたり」が「黒々とした、艶のある、長い長い髪を梳っていた」という表現になり、イメージしやすくなってます。現代語訳ありがたいです。後半に原文が載っているので、比較しながら読むこともできます。