あきつ鬼の記

室町時代の播磨国、陰陽師の兄弟が怪異に迫る。

 

 

寺の薬草園を管理する僧の呂秀(リョシュウ)と兄で薬師の律秀(リツシュウ)は蘆屋道満(アシヤドウマン)の子孫で、呂秀は物の怪を見て聞くことができます。

 

『第1話』

井戸を覗いて水面に自分の顔が映れば無病息災、映らなければ3年以内に死ぬという奇妙な噂の井戸。律秀が井戸を覗くと自分の顔が見え、呂秀は自分の顔でなく鬼の顔が見えた。その鬼は蘆屋道満に仕えた式神で「あきつ鬼」と呂秀が名付ける。

井戸覗きって、高野山にもありましたよね。

 

『第2話』

猿楽一座の病人を診た兄弟は、病気の原因は死霊と見る。あきつ鬼が死霊に向かう。

 

『第3話』

京の陰陽寮から天文生が播磨国を訪ねてくる。山道を歩いていると蛇神に出会う。

 

『第4話』

薬草園に妻の病に効く薬がほしいとやって来たのは山狗だった。山狗は山の神だ。

 

『第5話』

漁師から海に怪しいものが出ると聞き、呂秀が突きとめると平家の古い亡霊だった。

 

『第6話』

薬草園に咲く桜と梨の花に現れる物の怪、呂秀は「光るもの」を見る。

 

 

陰陽師・蘆屋道満の子孫という兄弟が活躍する物語。薬師の兄は病人に薬を与え、僧の弟が護摩を焚き平癒祈願します。兄弟はいつも冷静でユーモアセンスもあり何事にも動じません。突然現れる物の怪に対しても落ち着いた対応します。理知的な兄と感情豊かな弟。奇抜な呪術を使うことないし、わかりやすく読み進めます。