適的(テキテキ)

自らの心が適(タノ)しみとするところを適しむべきである。

 

幕末、緒方洪庵(オガタコウアン)は大坂で医師を開業し、若者たちに蘭学を教えるための塾・適々斎塾、略して適塾を開いた。

 

亜弥(アヤ)17歳は3年前、嫁に望まれて大坂へ来たが、縁談相手は別の女性と結婚してしまい破談となったが、縁談より医師になるため適塾で学ぶことが楽しくてならない、男姿で適塾に通う。

 

日が暮れはじめ外出先から家路を急ぐ途中、酔っぱらいの男3人にからまれた亜弥。男の1人は素行不良で適塾を辞めさせられ、ライバル塾の合水堂に入った男だ。必死に逃げたが追いつかれ路地の奥へ引きずり込まれ万事休す!

 

と、そこへタイミングよく適塾の仲間達が来て助けてくれた。レイプ未遂ではあったけど心の傷、痛みは半端ない。なのに、おおごとにすると余計に傷つくからと言われ、おなごは声を上げてはいけないのかと悔しくてならない亜弥。

 

時代は幕末、外国船が開国を迫って次々やってくる。幕府の蘭学取り締まりが厳しくなるなか、緒方洪庵は天然痘撲滅のために牛痘種痘法を普及させようと懸命になる。亜弥も協力して奔走するが、ふと、もどかしさが募る。

 

問題は私が女だということだ

医師になりたい、勉強したい思いだけで突っ走ってきたけれど、女の私が蘭方医になるなんて本当にできるのだろうか‥

 

誰かに相談したい、でも誰に?

そんな時、おなごの先生が本道の医者をしていると聞き会いに行く。口に出せないような辛いことが多いでしょうと言われ、亜弥は頷く。

 

いつか女医として独り立ちする日のために、今はやるだけのことをやっていこう。

それが亜弥にとっての『適』だから‥

 

理想を追い懸命に努力する亜弥は、気配りと謙虚な気持ちも忘れない。頑張って立派な医者になってくださいねと陰ながら応援しよう。