人気作家5人による時代小説アンソロジー
☆晴れ湯~朝井まかて
湯屋のお晴(ハル)は三助をしていますが、新しい三助として奉公人が来たから、手習塾に行かなければならない、働いているほうがいいのに。極楽とんぼの父と働き者の母。よそのうちとは違うけど幸せな家族のかたち‥
☆月に叢雲、花に風~梶よう子
小間物屋の兄妹は、兄が仕入れを担当し妹が店番をしています。兄が奇妙な物を仕入れてきた。武家の女性の守り刀のようだ。湯屋で「刀の祟り」の噂話を聞いた妹は、あやかしの瘴気で兄が祟り殺されるかもしれないと焦る‥
☆利休鼠~畠中恵
損料屋(レンタル業)の清次(セイジ)は、鼠の形の根付けを婿入り先から贈られたが盗まれ困っている、と武家の次男から相談される。実は根付けは走って逃げたらしい。根付けは「付喪神」だったのか‥
☆千両役者~西條奈加
店をリニューアルした婿は、芝居好きの妻と姑を通して贔屓の売れっ子役者を食事に招き、店の宣伝にしようとする。当日、食事の途中にひとりの女性が倒れた。料理が原因なのか、陥れられたのか‥
☆坊主の壺~宮部みゆき
コロリで父母兄弟を亡くした娘は、お救い小屋に身を寄せた後、女中奉公に出て奉公先の旦那様から掛け軸を見せられ、そこには壺に入ったお坊さんが描かれていたが、たいていの者には壺だけしか見えないという‥
作者が違う短編の時代小説集です。
どうしようもない悪人は出てこなくても、小さなトラブルが大きなトラブルになったり、ささいなことが大事になったり、悲喜こもごもをさらりと描いています。
登場人物が違う、職業・商売が違う、生活環境も違う、それぞれの生活だけど、みんな優しいなあと思いました。
