ワルザザートからモロッコの首都マラケシュ行きのバスへ乗りました。
この道中は素敵な景色が続く有名な道なんだって。
でも山道なのでくねくね道だらけで酔ってしまう人続出で、通常ゲロ道とも言われてるらしい…。
何その楽しさと不安を見事に同時に与えられる情報。
気になって仕方がない。
酔い止め薬を飲もうか本気で迷う。
手に握りしめてはいたが、極力飲まないで本気でヤバイ時用に取っておきたい。
今後もっとヒドイ道や体調悪い時が訪れるかもしれない。
もし今回の道が途中で耐え切れなかったら酔い止め薬を飲もう。
酔ってからでは遅いけど、飲まないよりかはマシだよね。
私はいつももしものために取っておくタイプ。
結局使わないで終わってしまうパターンも多数あります。
ドラクエでもやくそうはケチケチ使うから中盤からは大量に余るタイプ♡
乗車客は私以外みんなモロッコ人でした。
観光客も少しはいると思ったんだけど、モロッコ内ではなかなか見かけないなぁ。
晴れ女炸裂!!
すごく良いお天気!!
昔ながらのお家がずらっと並んでます。
味があって素敵な風景。
なんだか素敵でしょ~♪
まだ人が住んでるみたいで、昔ながらの生活を大切にしててすごく素敵でした。
茶色いイメージングが大きいけど
ちゃんと緑もたくさん。
雄大な景色に感動。
茶色や緑色の視覚でも楽しませてくれる。
特に私は砂漠地帯からの移動だったからか、すごく新鮮に感じる。
同じ国なのに少し移動しただけでこんなにも見える景色が違うものなのか。
モロッコ、恐るべし!!
いかにも山を切り崩して作りましたって雰囲気が素敵。
ん?
そういえば全然酔わない。
小さい時はよく酔って大変だったのに…。
ガラパゴスでも酔いやすくて有名なルートの船に乗ったけど、全然大丈夫だった。
いつの間にか強くなったのかな??
それとも旅行中は感覚が変わってくるのかしら?
ずっと窓を見ながら景色を眺めてた。
私の視界に入ってくる。
ママがビニール袋をガサガサし始めた。
この光景は…
ま、まさか。
子供がすかさずビニール袋に顔を突っ込む。
うん、やっぱり。
えーっと。
親子には悪いけど、気分的に酔いをもらってしまったらイヤだから必死に窓に顔を向ける。
…何も見てない。
私は何も見てない。
何も起きてない。
心の中でつぶやく。
本当にキレイな景色だなぁ~!
凛々しい山々!!
ガサガサ…
ガサガサ……
バス内に響き渡るビニール音。
そしてビニール内に弾き出されるこもった液体物の音。
微かに香る胃をつく独特なあの酸っぱいニオイ。
き、キレイだなぁ…
そのうちお母さんの方が苦しそうに喘ぎだした。
あぁぁぁ~~!!!!
はうぅぅ!!!
おぉぉぉぉーーーー!!!!
車内に響き渡るお母さんの鳴き声。
周りもざわざわし出した。
…
親子でぐったり。
お母さんは辛い雄叫びを上げている。
何人か話しかけたりしてた。
子供の方は運転手さんの仮眠室のようなところへ案内してもらって横になった。
お母さんは席を移動したけどずっと叫んでいた。
所々で休憩を挟んだ。
走っては止まる。
それの繰り返し。
このままだと着くのは夜になっちゃうかしら。
カフェでも本格的に止まって休憩タイム。
葉っぱが良い味を出してる。
先ほどのお母さんがテーブルに座って、周りを何人かの女性が囲んでて雑談してた。
だいぶ良くなったのか、お母さんの顔色は悪くなく、笑顔も溢れてた。
子供はその横でDSのようなゲームをしていた。
おぃ!ゲームはダメでしょ。
下を向くのは酔いやすいよ!!
てかゲームするくらい回復してるのかぃ!
心の中でツッコミながらバスのなかでずっと待機してた。
知らない町に夜遅くに着くのはやだなぁ。
マラケシュは都会だから治安面もあまり良くないと聞いてたし。
そう思って暗くなる前に到着のバスにしたのになぁ。
笑顔で雑談をしている親子を見ているとちょっとイラついてきた。
早く到着したい思いで焦っていたため、親子に対してちょっと八つ当たりな思いが出てきた。
そんな元気そうなら早く出発すれば良いのに。
そんなことを考えながら真顔で見つめてた。
ふとバスの窓に映る自分の顔と目が合った。
少し眉間にしわを寄せたその顔はものすごく醜かった。
なんて顔をしてたんだ。
ブサイクだな、自分。
心の醜さが顔に表れてる。
我に返って少し恥ずかしさと悲しさが込み上がってきた。
なんで素直に心配できないんだろうか。
なんてダメな子なんだ。
昼間のことがまだ引きずってたから少し精神的に弱ってたみたい。
自己嫌悪に陥って、シュンとなってしまった。
たっぷりと休憩時間をとった後、バスは出発した。
にこやかにしてたお母さん。
しかし出発して間もなく、また嗚咽が始まった。
苦しそう…。
何もしてあげられない自分が悔しい。
またしても自己嫌悪に陥る。
しかも到着時間が遅れることの不安ばかりで、思いやりの心を忘れてしまってた。
あぁ、ダメダメだ。
そうだ!
カバンの中を漁って、ポーチから薬を出した。
いつか飲もうと常に持ち歩いてた酔い止め薬。
本来は酔う前に飲むものだけど、酔ってからでも効果はあるかもしれない!
後ろの席のおじさんが何かとお母さんを気にかけててくれてたので、おじさんにその薬を渡した。
英語はわからなかったけど、ジェスチャーでなんとか伝わって、お母さんに薬を渡してくれた。
良かった。
少しは役に立てたかな。
数秒後
おじさんは少し気まずそうにはにかみながら薬を返却してきた。
そ、そうだよね。
異国の薬なんて飲みたくないよね。
残念!
メイドインジャパンのクオリティーなのに。
しょうがないけど、またしてもシュン。
するとナナメ後ろの席のおじいちゃんが手を伸ばしてきた。
ん??
この薬??
うんうん、と頷くおじいちゃん。
あ、おじいちゃんがもう一度説得して渡してくれるのかな。
ありがとう、と笑顔で薬を渡す。
おじいちゃんはガタガタの歯を見せながらニカッと笑って自分のポケットに薬をしまった。
…
…
自分の分かーーーい!!
べ、別にいいんだけどさ。
せっかくお母さんにと思って差し出した薬なのに。
てか酔い止め薬って分かってるのかな。
ジーッと見てると、おじいちゃんはそわそわしてさりげなく席を移動した。
後ろめたさがあるのかしら。
そんな何とも言えない車内。
急にバスが止まった。
今度は何事よー!
続く









