ロシア第2の都市、サンクトペテルブルク。

 

かつてはレニングラードと呼ばれ、1917年まではロシアの首都として、西の玄関口として発展し続けた。

 

ヨーロッパで美しい街の一つと言われているように、皇帝や貴族の宮殿が立ちならび水路が流れる優雅な街並みが堪能出来る。

 

街を歩くと、巨大なイサーク聖堂などの荘厳な建物に圧巻され、玉ねぎ頭がカラフルな血の上の救世主教会の美しさに魅了される。

 

また、政治と経済の街と言われるロシアの首都モスクワとは対照的に、サンクトペテルブルクは芸術と文化の街と言われ、世界三大美術館の一つでもあるエルミタージュ美術館やロシア美術館がある場所としても有名である。

 

冬はマイナス30℃にもなる極寒の地であるが、意外にもヨーロッパ的でロシアらしくない開放的な街だ。

 

 

 

 

ロシアの住宅事情も一風変わっている。

 

1991年にソ連からロシアになるまで、土地や建物は全て国が所有し、住居は国民に無料で付与されていた。

 

ソ連時代に建てられた建物は、その時代の権力者の名前が愛称として付けられている。

 

 

・スターリンカ(Сталинка)

1930年代終わりから1950年代にかけて建設された建物。

天井が高く、ゆったりとした間取り、スターリン様式と呼ばれる豪華な装飾が特徴。

 

 

・フルシチョフカ(Хрущёвка)

1950年代から1960年代に建設された建物。

狭く天井が低い、狭いキッチン、低予算、装飾はほとんどない、エレベーターのない5階建てが特徴。

PhotoZuZ [CC BY-SA 3.0], via Wikimedia Commons

 
 

・ブレジネフカ(Брежневки)

1960年代後半から1980年代に建設された建物。

フルシチョフカの改良版。

狭く天井は低いがキッチンが広くなる、9〜17階建てが特徴。

 

 

価格はスターリンカ→ブレジネフカ→フルシチョフカの順に安くなり、どの建物も今も現役で使われている。

 

スターリンカは頑丈な作りと装飾で人気だが、その分値段も高いので手頃な値段のフルシチョフカやブレジネフカも若い人には人気だそう。

 

1991年以降に不動産を私有化出来るようになったが、まだ不動産業は未発達なこともあり、価格は上昇を続けている。

 

また、ロシアの一般的な新築物件は家具はなく、キッチンなども自分で作らなくてはいけないため、一般市民はこの時代の中古物件を利用する人が多いようだ。

 

 

 

16世紀に都市が建設され始めてから、ロシアの権力の象徴として数々の屋敷が作られ、今も残っているが、かつて国が所有していたものも、現在は購入することが可能だ。

 

 

 

 

6つベッドルームがある高級アパート。

 

19世紀後半に建てられ、ロシアの数々の著名人が住んでいたそう。

 

可愛らしいダイニングや古典的な階段ホールとは対照的に現代風に作り変えられたバスルームが面白い。

 

価格は約2億781万円で売られている。

 

 

近年作られた建築でも、ロシアの底力を実感することが出来る。

 

 

 

 

 

 

2000年代に作られた新築にも関わらず、お城のような外観だが本当にお城のようで、その名もHovard Palace。

 

中身も凄まじく豪華に作られており、住人が使えるスパはまるでローマ風呂のよう。

 

24時間体制のセキュリティもついているので、安心して暮らすことが出来る。

 

この間取りのアパートは約2億361万円だが、2ベッドルームなら約1億円ぐらいから購入出来るようだ。

 

 

 

 

ロシアの歴史とともに名前も姿も変え、発展を続けた街、サンクトペテルブルグ。

 

かつての華やかな時代から共産主義時代を経て、住宅もその時代に合わせて幅広く変化し発展しているようだ。

 

 

(1ルーブル=1.7円)