2016年ハワイ・オアフ島。

 

当時28歳でシングルに戻り、ティンダーでデート生活をスタートさせた同じ頃始めたのが、ホスピスでのボランティア。

 

デート生活とホスピスでのボランティア活動、両方に精を出していたのには理由があります。

 

子供の頃から生と死の観念にはずっと興味があり、エリザベス・キューブラー・ロスの著書を読んで以来、ホスピスでボランティア活動をするのは私のバケットリストの中の一つだったこと。

 

そして、日本に住む自分のおばぁ(現在101歳)と時間が過ごせないため、その分、私を必要としてくれる人たちのためにできることがあるはずだ、と。

 

興味があることには直ぐにチャレンジする精神の私は、Patient ボランティアとしてIsland Hospice に登録しました。

 

面接の際、自分の特技は何かと聞かれた際、特に何も思いかなかったので、歌うこと。と答えました。ハワイには多くの日系人が住んで居るので、その人たちが故郷日本の歌を聞いて喜んでいる姿が思い浮かんだからです。

 

2日間研修を受けた後は、実際にホスピス患者の自宅・施設に伺って時間を過ごすことになりました。

 

一番始めに出会った患者さんのJさんは、日系2世の女性。当時は寝たきりの状態で、会話もほぼできない状態でした。

 

実際に初対面のJさんを目の前にして、「さて、どうしようか」と一瞬戸惑いましたが、ボランティアとしてではなく、一対一でこの人と一緒に楽しい時間を過ごそうと思いました。

 

これも立派な初デートドキドキ

 

そして、携帯のYouTubeでおもむろに日本の歌を検索して、その歌をバックグラウンドに一人でカラオケを始めました。

 

私が歌い出すと、Jさんはびっくりしたのか、しばらくじーっと私の顔を見つめていました。大好きな美空ひばりの歌を歌い出すと「それ知ってる」と言わんばかりに、微笑みました。

 

夏川りみバージョン、森山良子の「さとうきび畑」

を歌い出すと、Jさんの目からポロポロと涙が溢れ落ちてきました。

 

大好きな歌を熱唱すること1時間。Jさんは私の手をキュッと握って、幸せそうに目を閉じていました。

 

2回目にJさんを訪れた際、折り紙を持っていくと、Jさんは相変わらずベッドに寝たきりでした。唯一得意とする鶴と12角形のくす玉(笑)を折ってあげると、「O-ri-ga-mi」と懸命に言葉を発し、またしても「知ってる!」と言わんばかりに微笑む笑顔が可愛いかったです。

 

3回目に訪れた際、Jさんはとても疲れたようでぐったりと寝ていました。意識も朦朧としているようでしたが、私がJさんの手を握って、歌を歌い出すと、閉じている目から涙が流れてきました。

 

その日から3日後、Jさんは永遠の眠りにつきました。

 

Jさんの後、3人の日系日本人女性患者さん達との出会いがありました。Jさんを含めて3人は、私と出会ってからわずか1ヶ月も経たないうちに天国へ旅立ちました。

 

私が担当になった患者さんがあまりにも立て続けにあの世へと旅立ってしまうので、私のコーディネーターもさすがに驚いて、ボランティア初心者の私が患者さんの死を経験し、感情を対処しきれるか親身になって心配してくれました。

 

私本人としては、全員の前で熱唱しては思う存分歌を聞いてもらっていたので、もしかして私の歌が原因かも。。と一瞬戸惑いました。ストレスになったのかなぁ〜なんて(笑)笑い泣き

 

悲観的になりそうでしたが、歌を聞いている時の患者さん達の幸せそうな顔を見ると、あぁそうではなく、多分

 

あの世に行く前に私の歌を聴くのが最後のカルマだったんだ、きっと!

 

最後の門番

 

カラオケ娘🎤

 

と自己解釈することにしました。

 

ハワイでの週末の過ごし方は、午前中はボランティアで患者さんに熱唱し、午後は友達とハッピーアワー、夜はティンダーデートクラッカー

 

というなんとも充実した生活を送っていた私。

 

生と死

 

陰と陽

 

私は死を目の前にして生きている人たちから生を学び、生きていると思っている人たちから死を見た。

 

当時は気がつかなかったけれど。

 

今思い返せば、ホスピスでのボランティアが生で、ティンダーで数をこなすだけのデートが死だったのかも知れない。

 

生と死に興味がある人にオススメのエリザベス・キューブラー・ロス著書の本:

 

死ぬ瞬間―死とその過程について (中公文庫)

 

 

死ぬ瞬間―死とその過程について