文字に埋もれる | 小森真理子オフィシャルブログ「まりこもいっしょ。」Powered by Ameba

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(ほんとうに文字だらけで
長めな記事なので、お暇な時間に!笑)
  





寝る前に川端康成の短編を
読むのが好きなのですが
今日はなぜか朝に読んでしまい
胸がきゅうんとしてしまっています。
こんにちは。



中学生の時に初めて川端の本を
読み始めて。

その時は言葉の意味もよくわからず
調べながら、

ふむふむ。
なるほどよくわからんが
なんだか好きだ!という感じで
読んでたのですが.......笑

繰り返し読むうちに、そして
時間をあけて読んでやっと
こういうことかと。
わー、この感性すごいな。 
あぁ、その気持ちわかる。
となってきました。


またここからしばらく空けて読んだら
きっと違う感想になるのかな


2、3度以内読み返すだけじゃ
物足りない。何度も何度も、
何年も読みたくなる
そして読む度に感想が読んだ後の
もやもやが変化しちゃう。
毎回毎回新鮮な気持ちを貰える。

それが彼の書く小説の魅力だと
思います。


んでもですね、
こんなふうにお勧めしても
なかなか読んで貰えないのよ。笑


それでもめげずに
『掌の小説』だけはもう何年も 
人におすすめしまくってます。

せっかくだからもうちょっと
猛プッシュにお付きあいください。笑



川端康成の書いた短編、
全部で128篇くらいあって
そのうちの122篇が詰め込まれてるのが
『掌の小説』です。


彼は詩を書きたかったみたいなのですが
なかなかうまく詩にならなかったらしく
短編にぶつけたそうです。


一つのお話は短いとたったの2ページ
長くても10ページあるかないか位。


言葉の表記こそは、ザ文学!という
感じなのですが
内容はとっても繊細で全く古くない。



122篇のうち特に好きな作品は
『有難う』『雨傘』『屋上の金魚』
『叩く子』 『十七歳』『夏の靴』



そして今朝も読んだ
『火に行く彼女』が一番すきです。


それこそ、見開き2ページで
終わってしまう短い作品なのですが
川端の繊細さといじらしさが非常に
分かりやすくでてるのですよ。


初めて読む人にもきっと読みやすいと
おもいます。



少し引用を。
(もう少しだけ付き合ってね!笑)





----湖水の向岸の林が静かに燃え上がっている。火は見る見る拡がって行く。
山火事らしい。



----彼女が一ぱいの人群をすいすいと分けて一人坂を下っていく。坂を下って行くのは彼女唯一人である。不思議に音のない世界である。



----「どうしてお前だけ坂を下りて行くのだ。火で死ぬためにか」
「死にたくはございません。でも、西の方にはあなたの家がございます。ですから私は東へ参ります」
焔で一ぱいの私の視野に黒い一点の
彼女の姿を、私は眼を刺す痛みのように
感じて、私は目が覚めた。
目尻に涙が流れていた。


----夢は私の感情である。
夢の中の感情は、私がこしらえた彼女の感情である。
私の感情である。
そして夢には感情の強がりや見栄がないのに。
そう思って、私は寂しかった。

(引用:新潮文庫『掌の小説』)




うーーーん、
やっぱり最高ですぅ。 

端折りまくりにしてるのは
読んでほしいから。
彼女には好いて貰えないと表面では
分かっていても、希望を持ってしまう。
希望を持ってしまっているのに、
夢の中でさえも彼女は「私」への
ための気持ちがなかった。
希望をもってるはずなのに、やはり
諦めてる自分それに気付いた時の
寂しさ。



川端、いじらしい。
そしてなにこれ切ないよ。
きゅうーんですよ、こんなもん!



ぜひ
暇な時に全部読んでみてください。


あ。こんな風にまじめにいってるけど
純粋に読むだけじゃ飽き足らず
好きなBLカップリングでも
妄想しちゃうあたり、いつもの
私です!!

文字ばっかりで元気ないのこの人?
って思われるかもしれないけど
私平常運行です。


今日はりれたんと会うのよ♬
イチャイチャしてきます。



そして次の更新は文字少なめに
しますね!笑

最後まで我慢強く
付き合ってくれたあなた!
本当に本当にありがとう。笑



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真理子