成人式、それは誰もが華やかなI日であるはずである。家族、親類から祝ってもらったり、友達と祝いあったり、私もそんな大人になる日を夢見ていたと思う。


私はその日病院にいた。前日手術をして入院していたのだ。胸にしこりがあり、除去する為に。別に急を要する訳でもなかった、おそらく悪性ではないとのことだったし。


私は成人式に出る予定はなかった。着物のを買うお金もないし、レンタルするほどの気持ちもおきなかった。母と2人暮しだったが母は私が成人になるということに全く興味がなくそのことについて話すこともなかった。


成人式の朝、私は病室で1人朝食を食べていた。冷たい食パンをかじりながら。


窓を開けてみた。

爽やかに晴れた朝だった。


目の前にアパートがあった。

確か中学の同級生が住んでいたかな。


彼女が出てきた、荷物を抱えそそくさと出かけていった。

彼女のことは覚えている。

少しいじめにあっていた。

醜い顔をしていた。

声だけが鈴のように綺麗だったことも。


数時間たって頭を結って振り袖姿の彼女が帰ってきた。華やかな青色の振り袖。綺麗な髪飾り。


家族が出てきて記念写真を撮っていた。


私は病室の窓からその光景を1人静かに眺めていた。


私は誰からも祝福されることもないな。



これが私の成人式の思い出です。