松園と華麗なる女性画家たち③ | Marikaism

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主に日々の出来事を綴っています。


山種美術館にて開催中の
「松園と華麗なる女性画家たち」

先日うかがったブロガー内覧会より
上村松園の作品の特徴をご紹介ビックリマーク


松園は、生涯女性を描きたいと言う思いを貫き、たくさんの美人画を残しました。

絵に着物を着せる感覚で、屏風の裂にも拘り、作品の随所に松園の女性らしい拘りが感じられます。

まず松園作品の多くは、ブルーやグリーンが多いです。


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「春のよそをひ」上村松園 1936年頃(山種美術館所蔵)

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「つれづれ」上村松園 1941年(山種美術館所蔵)

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「娘」上村松園 1942年(山種美術館所蔵)

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「夏美人」上村松園 1942年(山種美術館所蔵)

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「庭の雪」上村松園 1948年(山種美術館所蔵)


幼い頃に髪を結う遊びをしていた松園は、女性の髪型、髪飾りにも拘りました。
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「春芳」上村松園 1940年 (山種美術館所蔵)

こちらの髪型は元禄勝山。
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遊女の勝山が流行らせた勝山髷が一般にも結われ、大名や武家の奥方に好まれた髪型です。

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「新蛍」上村松園 1929年(山種美術館所蔵)
この元禄勝山髷が発展し、既婚女性の髪型として定着したのが丸髷です。

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若い方は大きく、ご年配の方は小さく髷を結ったそうです。

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「牡丹雪」上村松園 1944年(山種美術館所蔵)
こちらは三角の傘が可愛らしい、構図の工夫が感じられる作品です。
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そして、松園と言えば素晴らしいのは作品のバックの色です。
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この絶妙なグレーは、胡粉と炭で描かれています。
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「砧」上村松園1938年(山種美術館所蔵)

山下裕二先生曰く、松園が曾我蕭白の美人図を観て描いたと言われる作品「砧」。
砧は、室町時代に世阿弥が作ったお能の演目で、都へ行って何年も帰ってこない夫を待ち続ける妻の淋しさと苦しみのお話です。

この女性は、1人淋しく夫を待っている姿でしょうか。

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足の指の長さが、曾我蕭白の美人図と酷似しているそうです。

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髪型は、桃山時代から江戸時代中期の元禄くらいまで結われていた、玉結びです。
髪の下の方を小さく結ぶのがお上品とされ、上流階級の女性たちに好まれていました。

頭のてっぺんから脚の先まで細かく観れるのは、やはり美術館ならではですね


日本画だけではなく女性の装いの歴史や、才能ある女性のパワーを感じられる素敵な展覧会です

ご興味ある方は是非、足をお運びください



「上村松園 生誕140年記念
松園と華麗なる女性画家たち
2015年4月18日~6月21日まで開催
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
山種美術館
東京都渋谷区広尾3-12-36

※美術館の許可を得て特別に撮影しています