「私は500年後の未来から来た。」


大雨の音にかき消されることもなく、むしろスピーカーを使ってるかのような、街の人ひとりひとりが聞き取れるぐらいの大きな声で男は一言放った。

「何言ってんだ...あの人。」


「この世界のどこかに時空を超えることができる扉がある。その扉を開けて時空を旅するのだ。きっと見たことのない世界が広がっているだろう。」


男が話終わったあと気がつけば雨は上がり、今までの大雨が嘘みたいに晴れやかな青空が広がっていた。


「信じられないならその目で確かめるがいい。」

その言葉を合図に小さな竜巻が起こり、男は砂となって消えた。

私は記憶の始まりを探し、振り返ってみることにする。

「時空を超える...?」

そんなこと出来るのかという疑念と、出来るのであればという希望、そしてあの男は一体何者だったのか...私の小さな頭はそれだけでいっぱいになった。

「邦男、変なこと考えんじゃないよ。」

母は窓を開け、外を確認しながら言った。