息子は花が美しいと思ったことがないようです。

 

確か、「不思議の国のアリス」の原作者ルイス・キャロルも花が好きでないと本で読んだことがあります。ルイス・キャロルは聴覚優位です。彼のアリスの挿絵は遠近感がなく違和感を感じる絵でした。

 

ラマチャンドラン博士の本には、複数のカプグラの患者が風景や花が急に美しく感じられなくなったと述べたと報告している昔の文献があると書かれています。

 

カプグラ症候群は、視覚中枢と辺緑系の構造体をつなぐ結合が事故で切れてしまったために、母親を見たときにあるはずの情動の衝撃が起こらない症状です。

母親が偽者のようにみえたしまうのです。

 

カプグラの患者は視覚芸術を楽しむことができないはずと言われています。

 

しかし、皮質の聴覚中枢は辺緑系から、切り離されていないので音楽は楽しめるようです。

 

不思議なのは息子はわたしのことをマネキンに見えるといっていたので、カプグラ症候群のように情動が切り離されたと思うのに絵画をみて感動していることです。

 

とくに、エルンスト・フックスとジャクソン・ポロックは素晴らしくて、いつまでも見ていたいと思ったようです。わたしもポロックは観に行きあまりにも素晴らしくて、しばらく動けなかったのですが、どうしてそんな風になったのかわかりません。

 

人間の根源のようなものを感じたからかな?

 

 

息子は解離が治っても花は美しくないようです。

 

花を美しく感じないってどうしてかなと思います。