2年前まで、幻聴、解離、離人感、聴覚過敏、イライラ、強迫神経症、不安感、これだけの症状がありましたが、今ではほとんどありません。親にとってはこの変化はとても嬉しいことなのですが、娘にとっては慣れない身体で、違和感があり、喪失感、空虚感があり、孤独を感じるようです。


ずっと頭の中がうるさくて、7人も人格があり、他の人が感じないような音が頭に響き、感覚の洪水のような世界にいたのです。このため、人の話を集中して聞けなかったり、学校では音がうるさすぎて解離してしまったり、学校で不適応がありながらも、周りの人も我慢していると思い頑張っていたようです。でも、自分の性質が特殊であると気がついてさらに、苦しみが増したようです。毎日のように「死にたい」と言っていました。


こういう症状に対して、娘の主治医は、幻聴を抑える薬と、漢方薬、睡眠薬を頓服で出しただけでした。症状というものはすべて無くせばいいのかというとそうでもないようです。


中井久夫先生の本にも長い間幻聴があった人は、なくなると空虚感みたいなものがあるようなことを書いていました。


娘は薬で必要以上に抑えることをしなかったのに、腸の問題、解毒の問題など、身体を改善する食事やサプリメントでよくなり自然に治癒しました。今残っている症状は、不安感ぐらいです。


症状がなくなってから、孤独を感じるようになり、やたら甘えるようになりました。まるで小さな子どものようです。ドナさんも体質が改善されて、自閉症の症状が緩和されたとき、夜が怖くて泣いていたようです。旅男というぬいぐるみと寝ていたなんで小さな子どもみたいですよね。


赤ちゃんの世界では自己、他者の区別がなく、音、光り、感触、これらは区別ができていなくて、感覚の嵐のような世界です。見えているものしか存在しないと思っていて、見えない母親を探すのが半年ぐらいしてからです。心の成長は、視野の発達が進んで、自己、他者の認識ができて始まるのではないかと思います。娘はこのあたりが十分発達していなかったので、孤独を感じるようになったのは成長したためと思います。喪失感、それにともなう痛みを乗り越えてほしいです。