国内投資家の1月の対外証券投資は約8600億円の処分超過になった。(円買い方向)
一方1月の投資信託の設定額と解約額の差引は6631億円の買い越しとなり月毎に投資額が増えつつある。(円売り方向)
この先投資が増え続け年2~3兆円の円売り需要に繋がると円は対ドルで2円程度円安になる。
こうした個人の動きが機関投資家の動きに繋がると円安圧力は高くなる。
機関投資家の代表生保では外貨建て運用に円高の為替差損を防ぐヘッジを付けるのが一般だが円安が長引くようだとそのヘッジ比率を下げる。
昨年9月時点の主要生保9社の外貨建て資産は約24兆円、その63%に為替ヘッジが付いている。
このヘッジ比率を10%落とすだけで2兆円程度の円売り圧力がかかる。
個人からの流れや貿易赤字などの影響を考慮すると13年度に対ドル相場で5円以上押し上げる計算になる。
他方海外投資家の円安で得た利益の確定売りの動きも出ている。
12日時点の円売越し額は7663億円と12月11日(1兆1800億円)の6割強に縮小した。
日米の内外金利差の関係も有り、米国の景気回復が続き日米の金利差が拡大されれば国内投資家のこうした動きも加速するかもしれない。

CME(シカゴマーカンタイル取引所)IMM(通貨先物市場)のNon-Commercial(非商業部門、投機筋)通貨先物取引での直近1月15日時点の対ドルの円売り越額は65727枚約8216億ドル前週は74096枚約9262億ドルで5週連続の縮小となっている。
引続き円安基調にあるが円の売り越しは緩やかな縮小傾向を見せている。
このデータから最近の円安を主導しているのはシカゴ筋のような投機筋ではないのではないかとの見方もある様である。
ただ1ドル110円~120円辺りで推移していた06年~07年にかけては売越額は2兆円代に膨らんでいた。
購買力平価は95円が適性との分析もある様で、
浜田宏一氏やカルロス・ゴーン氏は100円まで心配ない、適性と言っている。
ただいまの急激な円安は色々な要因も有るが、政府自民党が日銀に圧力を強めていることや、円安を誘導しているのではないのかなどの疑惑もある。
「急激な為替変動には断固対処する」と表明してきた経緯をどう捉えるのか、
麻生財務相は円高修正の動きと円安誘導に反論している様だが、政府が円安を容認しているのは間違いない様だ。
テクニカル的には円安や株高に過熱警戒感が出来ているので来週のFOMCや2月中旬のG20に向けて調整局面になるか、
指標や発表の内容によっては円に対するドル高要因にもなり得るので調整無き円安も有るかもしれない。
ただ緩やかな円安は当分続くのではないか。
東南アジア各国、ブラジルなどが今年公定最低賃金を一斉に引き上げた。
外資製造業進出の拡大で人手不足が強まり賃上げストなどが多発した為。
インドネシアはジャカルタで44%増しの月額220万ルピー(約2万2600円)、ベトナムも16~18%上げ、タイのバンコクは日額300バーツ(約885円)
ブラジルも最低賃金を前年比9%増の678レアル(約2万9530円)に改定。
賃上げしても中国や東南アジア、南米はまだこの程度、アフリカなどはもっと低い。
現地からの撤退を考えている企業も有るみたいだが、2倍になってもまだまだ日本よりかなり低い。
これらの国々にもっと沢山の企業が進出すれば賃金高のコストも現地人の購買力の向上が相殺し生産量の増加にも繋がり結果的には全体のコストダウンにも繋がると思うのだか…
そうなると日本産業は大きな構造改革が必要になってくる事も考えられそうですね。