イタリア映画フェデリコ・フィレーニ監督の
名作「La Strada」
地味でも人間がしっかり描けていて大泣きしてしまい
ました。芸人の話にも、はかなさが少し身近に感じます。
ジェルスミーナ役のジュリエッタ・マミーナが
なんとも純粋な心と忠実な心があってけなげで、
ああいう演技ができるなんてすばらしい。
芸人のザンパーノ役のアンソニー・クイーンも魅力的。
「小さな石だって、役に立つんだ」というキズルスの言葉。
嫌味な役ではあるけれど、実はいいことをいい、
ザンパーノとジェルスミーナのキューピットみたいな役
なのに、ザンパーノに殴られ死んでしまう。
ジェルスミーナのザンパーノによせる心がいじらしいし。
本当に人生ってうまくいかない。
でも、そんなものかな・・・・と思わせる。
何回か海がでてくるけれど、海の表情が、人間の心模様
を静かに代弁してくれるようだ。
やはり海岸で
ザンパーノがジェルスミーナを大切な存在だったことに
気づくラストは・・・なんとも哀しい。
つい口ずさみたくなるメロディー。
音楽の使い方がすごいなって思う。印象に残るのだもの。
これが戦後間もなく、日本に来たイタリア映画だというから
こうした人間を描いた映画ができているなんて、
考えられないくらいすごいと思う。
感動の映画でした。