東京では「エクレール・お菓子放浪記」が
11年5月21日より3週間、テアトル新宿にて公開が決まり
ました。ここで、この映画を監督をした、近藤明男監督の
今までの足跡をたどってみましょう。
近藤明男監督プロフィール
近藤明男監(こんどうあきお)1947年8月3日東京生まれ。
映画監督。70年早稲田大学卒業。在学中から映画「燃えつ
きた地図」(勅使河原宏監督)、「雪の紋章」(三隅研次監督)
の他、テレビドラマ「ザ・ガードマン」などの助監督としてキャリア
を積み、70年大映に入社。増村保造監督に師事。
大映倒産後フリーとなり、吉村公三郎監督、中平康監督、
須川栄三監督、中村登監督、市川崑監督など、昭和の名匠
のもとで助監督を務める。
主な助監督映画参加作品は、
74年「襤褸の旗」、76年「大地の子守り歌」、78年「曽根崎
心中」、85年「ビルマの竪琴」など。
また、日米合作「将軍」、日中合作「炎の女、秋瑾」((謝晋
監督)、日仏合作「夢の夢のあと」(高田賢三監督)への
映画参加を経て、
85年日仏伊合作「想い出を売る店」劇場映画監督デビュー。
(第一回監督作品)
86年美空ひばり主演テレビ遺作作品「女ひとり旅」演出。
87年記録映画「ザ・瀬戸大橋~21世紀への架け橋」では
第25回ギャラクシー賞(奨励賞)受賞。時を経て、
07年監督作品「ふみ子の海」(市川信夫原作)が公開。
封切り後、異例のロングラン上映となる。同年、第31回山路
ふみ子映画福祉省受賞。08年児童福祉文化賞(映像・メディア
部門)受賞。
次回作は「エクレール・お菓子放浪記」(西村滋原作)
11年4月仙台、札幌先行公開予定。
同年5月より東京・テアトル新宿にて公開予定。
以上のような希有な経歴をもつ映画監督さんなのです。
あるかたの近藤監督の例えがとても面白いのですが
「前に出ないインテリ風苦労人映画監督」・・だとか。
これはまさにピッタリ!の表現。ご本人は苦笑でしょうけど
気に入っている様子です。なんといってもインテリ監督として
名をなした増村保造監督に師事をなさった方だからな・・・と
思っています。時々、眼鏡の下の瞳にきらりと知性が光りま
すね。
今回の「エクレール~」の制作においてもスタッフルームに
しても随所に増村流の仕事の仕方が用いられていることで
した。そもそもスタッフルームをみれば、そのスタッフの技量
が分かるともいわれているそうですよ。
そして昭和の名匠のもとで助監督を務められたことにより、
映像、音楽、の絶妙のタイミングと監督手法が生かされていて、
そのこだわりを見ていても、ただものでない・・を感じさせて
くれます。でもシャシンは決して難しいことをしていない、
オーソドックスで、でも見るものを魅了するのです。それは
映画をよく知った、そんな監督術をもっている近藤監督さん
だからこそと思っています。
だから見ていて、何か懐かしい、ほっとする感覚があるんです。
また
記録映画「ザ・瀬戸大橋~」の作品から「ふみ子の海」まで
映画の世界から離れた生活・・色々なお仕事にもつかれたとか。
ご苦労も多かったのでしょうが、それをさらりと面白くお話なさる
ところは・・苦労人。人生無駄はないということでしょうか。
しかし、その時間のブランクがあっても、実はずっと映画という
ものを心の中で温めていらしたんだな・・と思うと、その精神力
のすごさに感服してしまいます。
団塊世代の方々に「あきらめてはいけない」とエールを送るが
如く、青い鳥をつかまえたヒーローじゃないかと思っています。
監督さん曰く「足をつかわなかったから、今があるんだよ」って
その意味わかりますか?・・・・。ちょっぴり年を重ねてくると
うんうんとうなずいてしまいます。
監督さんの活躍は、私など中年にとっても生きる上で励みに
なります。
と、いうことで、映画「エクレール・お菓子放浪記」の公開を
どうぞお楽しみに。
せっかく私も書く仕事もしていますし、この作品に携わっている
ので、是非とも、私だから聞ける・・というようなインタビューが
出来て、皆さんにお届け出来たらいいなと考えています。