来週から撮影に加わる「エクレール~お菓子放浪記~」

その作品の監督が近藤明男監督さん。

私にとっては「ふみ子の海」に続き2作目になります。

映画「ふみ子の海」の撮影後、MAがあり、その後ス

タッフの皆さんと食事をした際に、監督さんに「中学

時代に増村保造監督の作品をみて、映画の仕事を

やりたいと思ったんです」と話すとちょっと驚いた顔

をして「随分ませた中学生だったんだね」と言われ

たのを覚えています。


近藤監督さんは大学生時代三隅研次監督「雪の

紋章」増村保造「妻二人」やテレビ「ザ・ガードマン」

の助監督として約20本参加.

卒業後大映に入社したものの1年半で大映が倒産。

その後フリーの助監督として増村監督「大地の子守

唄」「曽根崎心中」、市川崑監督「ビルマの竪琴」な

どの映画製作に加わったのです。

そして

待望の85年「想い出を売る店」で監督デビュー。

しかしよい興行成績を残せず2作目が出来ず、2人

の子供のこともあり映画の世界から退いたのです。

医療事務関係の仕事や営業など色々と仕事をや

ったと話していましたが、再び映画をつくるチャン

スが巡ってきた。

それが

「ふみ子の海」のプロデューサー本間信行さん、

そして

女優の高橋惠子さんとの再会。この3人は、

大映最後の同時入社だったんですね。

そして近藤監督さんは約20年間のサラリーマン

経験をへて再び映画をつくることに。

第2作目となる映画「ふみ子の海」では、

高橋惠子さんは毎日映画コンクールの助演女優賞

、田中絹代賞を受賞。そして近藤監督さんも

第31回山路ふみ子福祉賞を受賞したのです。

そして、今月10月8日に宮城県でインをした

映画「エクレール~お菓子放浪記~」。

監督さんとしてはちょっと珍しい経歴の持ち主

ですが、すりきれることないみずみずしい感性で

素敵な映画になると私は信じています。


「僕は人生の上で映画には足を使ってなかった

分、だから今の年になっても映画を作る情熱が

あるのかもしれないね」


何かの際にふと話してくれたこんな言葉が

印象的でした。


もちろん私も、キャストの一員として、スタッフ

の一員として頑張ります。

近藤監督さんから学んだことの一つに、ロケ地

やその他の資料、

スケジュールなどを壁にはること。これは増村監督

もなさっていたことだと聞きます。

スタッフの誰もが壁に掲げられた資料をみて、ここ

はいい、ここはおかしい、じゃあどうしたらいいか・・・

と問題点を即話せるよさが

あるというのです。

これは私も本を企画、つくるにあたって使わせていた

だきました。もちろん今回のエクレールのことでも、

私の部屋の壁に資料は張られています。

歌も多いので、楽譜も歌詞も全部。

そうすると不思議・・・ここはこうしたらと自分なりにみ

えてくるんですね。

これを私は「壁会議」と呼んでますけど(笑)


さて、そんなこんなで18日から宮城県石巻での撮影。

今回は「ふみ子の海」に出演の先輩、薗田正美さんや

新潟の方言指導をした小野沢智子さんも一緒。


「近藤監督とエクレール・・・」

稲妻のように人生の衝撃なのかもしれませんね。