旅行に来たものの、

天気が良くない中、どこに行こうかと考えたところ

見つけた美術館。

 

 

碌山美術館

 

 

実は大好きなバレエ漫画「SWAN」に

この美術館が出てきたんです。

美術館の名前は出てこなかったけど

写真を見て、「ここだ!」と思いました。

主人公のパパが彫刻家なんです。

 

 

荻原碌山、高村光太郎などの

作品が展示されているこの美術館。

 

 

 

 

 

「碌山館」と呼ばれる

このレンガ造りの教会風建物が印象的です。

 

 

 

 

青い蔦と赤い焼けたレンガが美しい。

 

 

 

 

 

中には、荻原碌山の彫刻が並んでいました。

 

一番有名な、「女」も。

 

 

彫刻って、昔は意味不明でした。

美術品として

あまりよくわからない存在って感じです。

 

 

でも、イタリアの美術館で大理石の

神話を具現化した彫刻を観た時、

 

ルーブル美術館で

サモトラケのニケを観た時、

 

 

単純に、美しい!!

 

と思って、心奪われました。

 

 

 

そこから彫刻にも興味を持ちだしたのです。

 

絵画よりも繊細な人体の「ライン」や

立体だからこそ重要になるポーズ。

色々、観ながら考えちゃいます。

 

 

 

こちら、碌山作品「労働者」。

 

 

碌山は「考える人」の彫刻で有名な

かのオーギュスト・ロダンに憧れ

「人間を描くとはただその姿を写し取ることではなく、

魂そのものを描くことなのだ」と気づかされたとか。

 

 

パリ、ニューヨークと留学し、

東京に戻ってからは、

今の「新宿中村屋」の創業者が

今でいうパトロン的な感じで

活動をサポートしていたようです。

 

 

新宿中村屋は当時、

普通のパン屋さんで、

それを買い取った相馬愛蔵・黒光夫妻が

今の中村屋の基礎を築き上げたそうです。

 

インド人の独立運動家をかくまったことで

今の中村屋のインドカレーが出来たということも知りました。

まさかの豆知識 笑

 

 

 

碌山の彫刻作品が並ぶ碌山館。

撮影は禁止されてなかったと思います。

 

 

 

 

漫画「SWAN」で、彫刻家である主人公のお父さんが

碌山について解説していました。

 

 

相馬黒光は碌山が

生涯かけて愛しつづけた女性だ

恩人の妻だったが・・・

 

彼は絵画や彫刻を学ぶためにたったひとり

アメリカやヨーロッパに渡った時も

彼女をかた時も

忘れることができなかったんだね

 

帰国してからの彼は

その”苦悶”の中で

数々の作品を作り上げていった

 

 

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一生涯思っても思っても

満たされない魂の渇き・・・が

その代償にこれらの傑作をうみださせた

 

 

違う形でめぐりあって・・・

なんの障害もなく人生を幸せにすごしていたら

こんな血を吐くようなものはできない

 

 

彼は

この『女』像を完成して

わずか20日後に

精魂つき果てて倒れ

31歳の若さで

帰らぬ人となったんだよ

 

 

 

 

実際、美術品は本人の手を離れたら

受け取り方は人に任させられることかもしれません。

 

 

でも、つい製作者の想いを考え

作品を見てしまいます。

 

そして、この『女』の美しさと

このポーズについて考えさせられます。

 

後ろに手を持っていきながら

上を向く女性。

 

 

 

 

 

 

 

碌山美術館

 

 

 

近所にあったら通いたい。

 

全体的にイングリッシュガーデン的な雰囲気で

素敵な空間でした。