マヨルカ島に引っ越してよく聞くのが、「マヨルカの人は閉鎖的で外国人に優しくない。」ということ。

外国人として暮らしていると、その土地の人よりも外国人と知り合う機会の方が多く、1年半近く住んでいても、私にはマヨルカ島出身の友だちは1人しかいません。

その友だちというのはスケッチを教えてもらっている先生。たまたま彼の絵を見て、こんな風に描けるようになりたい!この人に教えてもらいたい!と私からフェイスブックでメッセージを送って知り合い、スケッチを教えてもらうようになりました。たまたま同世代、奥さんともども日本が大好きというのも仲良くなるきっかけに。ただ、住んでいるうちに自然と知り合った、というわけではありません。これはマヨルカ島の人が閉鎖的だとかの問題ではなく、外国人として暮らすとよくあることです。

ただ、英語が堪能で視野の広いこの先生と色々話すうち、また自分が住んでみて、マヨルカ島の人が外国人嫌いと言われる理由がなんとなくわかってきたように思います。

マヨルカ島はヨーロッパのリゾート地、イギリス人やドイツ人、スウェーデン人の移住者が多いのです。その理由は温暖な気候!日本に暮らしていると思いつきもしませんが、北ヨーロッパの人たちは太陽を求めて移住するのです晴れ

北ヨーロッパの中でも最北と言っていいフィンランドに6年半近く住んでいた私にも、その気持ちがよくわかる…。住み始めて3年はよかったのですが、4年目からは日が出ない真っ暗な冬がつらかった雪だるま どんなに寝ても疲れがとれないのです。真っ暗な11月に一時帰国すると、成田空港でまぶしい太陽が待ってくれていて、機内で一睡もできなくても身体が起きてしまって昼寝もできなかったな。

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マヨルカは北ヨーロッパからの移住者が多いことで知られていますが、実はイタリアからの移民が一番多いそう。でもイタリア人は、イタリア語とスペイン語が似ていることもあり、スペイン語を流暢に話して馴染んでいるのであまりわかりません。外国人というのは、イギリス、ドイツから移住しながら、言葉を勉強しようともせず、ちっともスペインに馴染もうとしない人々を指すようです。

最近、落し物をしてしまい、夜になってから日中訪れたレストランにもう一度足を運ぼうとしたのですが、地元のお祭りでレストランへの道が閉鎖されていました。子どもを寝かせる時間なのに、パジャマを着せたまま連れ出してきてしまった私…閉鎖解除されるまであと30分はかかるとガーン 「このすぐ先のレストラン近くまで行きたいんですが、ダメですか…?」とおまわりさんに言ってみるものの、もちろんダメもやもや そのうち花火まで上がり始めて花火、寝かけていた子どもも大興奮宇宙人くん もう仕方ないね…。

と、そこに現れたブロンド美女。水色のコートに白いパンツ、水色のバッグがよく似合うブルー音符と見ていたら、ブリティッシュイングリッシュイギリスで警察に怒鳴り始めた!

「私、ここの住民なんですけど!明日早起きしなくちゃいけないのに、たかだかお祭りのために交通規制して、自分の家に帰れないってどういうこと⁈ 税金だって払っているのよ!こんなバカな話ってある?通してよ!」

警察が「英語はあまりわからないから、スペイン語で話してください。」というと、「英語わからないふりしてるんでしょ。私が言ってること、本当はわかってるくせに!」とガーン 美女が怒ると本当にこわい。いや、パトカーパトカーや消防車消防車まで出動している中、警察にこれだけの剣幕で怒鳴れるのはすごいびっくり

でも…住人って言いながらスペイン語話せないのかな。英語がわからないふりしてる、なんて警察に言うのはどうなの?彼女の態度は、マヨルカのお祭りや警察をなんだかバカにしているように見えてしまいました。きっと毎年やっているであろうお祭り、スペイン語も話せない外国人がそこまで文句を言える立場なのかな。なんとも高飛車な態度に驚いていると、散々わめいた後に「税金払っている住人を家に帰さなかったこと、公式に訴えますから!!」と捨てゼリフびっくり これってどうなんだろう。

これまた最近、お気に入りのアルゼンチンのパン屋さんに行った時のこと。いつもラテンアメリカの人たちで賑わう小さなこのお店に、この日は背の高いドイツ人の若者たちが5人もびっくり いつも忙しくてイライラしているアルゼンチン人のお店の人が「はい、次のお客さん!何にしますか?」とドイツ人たちに言うと、「ドイツ語できるドイツ?」とお店の人にドイツ語で聞いている…。マヨルカ島にはドイツ人がたくさん移住している地域があり、そういう場所ではドイツ語も通じるのですが、こんなローカルな場所、しかもアルゼンチン人のパン屋さんじゃ無理だよー!いや、それ以前に、スペインに来て「ドイツ語できるドイツ?」って、トンチンカンじゃないの!? もちろんドイツ人みんながこんなではありません。でも、心象を悪くしてしまうよ…アセアセ

イギリス人イギリスと結婚している友だちが、マヨルカ島の郊外に家を買ったと昨日話していました。イギリス人、ドイツ人、スウェーデン人のお金持ちたちが首都パルマの物件を買い漁るので、パルマの地価はとんでもなく高騰札束 最近は郊外にプール付きの家を買うのが流行りのようです。「あのへん、人気みたいね。ドイツ人が増えて来ているとかドイツ」というと、「いや、あの地域はお金のあるイギリス人の年金生活者が買い始めた地域でね、イギリス人の墓場って呼ばれているんだよねおすましスワン








自分の国の一地域がそんな風に呼ばれたら嫌だろうな。ドイツ人は冗談交じりにBundesland de Mallorca (ドイツ連邦共和国マヨルカ州)なんて呼んでいたりプンプン

マヨルカ島の人がイヤな気持ちになってしまうのは当然かもしれません。彼らのために地価が高騰し、なのに言葉を学ぼうとする態度も見られない。マヨルカの人が外国人嫌いと言われるには、それなりの理由があるように思います。