お手伝いさんが消える！

ギリシャのイースターをお祝いするためにやってきたアテネ。ママ仲間たちにギリシャに行くというと、「よかったねー、やっと少し楽できるね」言われます。私たちの両親が高齢でマヨルカ島に来ることができないのを知っている仲間です。

義理の実家に行く→子どもの面倒をみてもらえたり、ご飯を作ってもらったりして、ちょっとラクができるという図式が世間にはある様子。日本の実家だとできるんですがねぇ…ギリシャの義母は病気のために身体が弱り、1人での外出はおろか、家の中の移動も難儀するほど。しかも、シングルマザーとして頑張ってきたと言ってもひたすら弁護士の仕事に邁進し、子育てと家事は乳母とお手伝いさんに任せっきりだった彼女、小さな子どもの接し方が全くわからない

 初めて子どもに会わせた時、「ニャオニャオ」と言いながら子どもの鼻を突っつき、子ども号泣 子どももびっくりしたと思うけど、子育て経験があるから扱いがうまいだろうと期待していた私は、腰が抜けるほど驚いたのでした 重いものも持てないから孫を抱っこしてもらうのはムリ。ギリシャは家の中でも靴を履くから子どもを床に下ろしたくなく、当時まだ1人では立てなかった子どもをひたすら抱っこしてかなり疲れたっけ 歩けるようになってからはずいぶんラクになりましたが…

でも義母のところで家事、掃除、買い物を担当するお手伝いさんは優しくて、子どもと遊んでくれたり、毎日おいしいご飯を作ってくれるから、ギリシャ滞在中は少なくともご飯作りからは解放される 子どものご飯も作っておいてくれたりと、ありがたいのです

マヨルカ島から義母宅に到着すると、お手伝いさんに加えて、朝晩義母の様子を見に来てくれる看護師さんもいて、再会を喜びました。お手伝いさんは「ギリシャのイースターのクッキーを一緒に作ろうね」と言ってくれました。

クッキー作りをする約束になっていた今日、主人のアパートから義母宅に行くと、いつもお手伝いさんがいるはずの時間なのにいない 連絡してみるとご主人が入院することになり、病院のあるアテネから車で2時間の故郷に帰ったと もともと今度の日曜日のイースターには帰省つもりでいたけれど、急遽帰省を早めざるを得なくなったと…。お手伝いさんは夜中に故郷まで車を飛ばしたそうで、なんて大変！

…ってことは、私たちのギリシャ滞在中はもう会えないんだ。…っていうことはつまり、もしかして、滞在中は私が料理するしかないんだ 掃除ももちろん自分たちでするしかない。子どもの相手ももちろんのこと。私たち夫婦だけならたまに外食してもいいけれど、塩分を摂ってはいけない義母と、まだ小さな子どもがいるから、そんなわけにもいかない しかも小さな子どもは食べるだけでも散らかすから、掃除はこまめにする必要あり。

あーあ、どこにいてもラクなんてできないものねぇ、とあっさりあきらめ、主人に子どもを預けてさっそくスーパーに買い物へ。

ギリシャのイースターに欠かせない真っ赤な卵がたくさん売られています

これまたギリシャのイースターに欠かせない、赤い卵が埋まってるブリオッシュみたいなパン

チョコレートのイースターエッグが入ってるパン。パンが鳥の巣に見立てられているみたい 想像力豊かね〜

山のように売られています。直径30cm近くある、なかなか迫力のあるパン。山積みになっているとさらに迫力が増します。

ひき肉を買おうとして、はたと困る。なんの肉だかわからない ヤギの肉とかたまにあるから、要注意 後で調べたら牛と豚の合い挽きでした。よかった！

ギリシャはほとんどの人が英語が話せるので、スーパーの店員さんも英語が通じる人が多いのがありがたい でもやっぱりもう少しギリシャ語ができた方がいいなぁ。

帰りにお気に入りのヨーグルト屋さんへ。ここのヨーグルトやアイスクリームがおいしくて アテネに来る楽しみの１つです。

ここでめずらしく英語ができない店員さんに出くわしました。ギリシャでは牛だけでなく、ヤギや羊のミルクでできたヨーグルトがあるから、要注意なのです。ギリシャ語の「ヤギ」は覚えてるけど、牛と羊は知らないよー

しかし、こんなところでひるんではいらない店員さんに「「べへへへ」(ギリシャ語の羊の鳴き声)でなくて、「ンモー」(ギリシャ語の牛の鳴き声)がほしい」と、鳴き声を真似してみる。店員さん、大笑いしながらも理解してくれました でもよく見たら、パッケージに動物の絵が描いてあるじゃありませんか

こちらは羊さんのヨーグルト

こちらはヤギさんのミルク。なぜかヤギだけはギリシャ語名を知っていた…

そして買ってきた牛さんのヨーグルト

ヨーグルト屋さんでは鳴き声のモノマネによってたちまち人気者になり、後から出てきた英語ができる店員さんたちに、「どこから来たの！？まぁ、日本？ギリシャ人と結婚しているの」と話が弾みました こんな楽しいこともあるから、1人で買い物に行くのもわるくないな。ギリシャ語の勉強のモチベーションにもなるしね 

…でも本当にラクはできないようになっている私の人生。がんばるしかないね。

夜になって、いつも来る看護師さんが現れなかった。主人が電話してみても出ないという。家事はなんとかなっても、看護師さんみたいなことはできない私。明日はせめて看護師さんは来てくれますように。