ギリシャで初めての年越しのため、グリーンの針葉樹と赤い実をあしらったキャンドルを飾るリースとヴァシロピタというケーキを買って義母宅に戻ると、お手伝いさんがディナーを用意してくれていました。
ディナーはお米よりひと回り大きいくらいのパスタと牛肉のお料理でした。おいしいんだけど、ギリシャ人ってパスタを茹ですぎちゃうのよね…。お肉も手作りデミグラスソースのようなソースで何時間もかけて煮込まれて、とてもおいしかっただけに、茹ですぎパスタが残念!アルデンテを知らないのか?義母はイタリア人とのハーフなのに!
翌朝のフライトのために早寝しようと思ったら、「カウントダウンを見ましょう」と義母。みんなでテレビのある部屋に移りました。ここまできたら睡眠不足での子連れフライトを覚悟…。アクロポリスをバックにした特設会場にたくさんの人が集まり、アテネ市長のスピーチを聞く様子が中継されていました。「次期選挙を意識してのスピーチだね」と辛辣なコメントをする義母と主人の会話の後、いよいよカウントダウン。ギリシャ語でのカウントダウン、ゼロになったとき、アクロポリスをバックにたくさんの花火が打ち上がりました。
キャンドルに火を灯し、お手伝いさんがディナーをテーブルに並べてくれるのをお手伝い。お手伝いさんの仕事だからしなくていいと言われるんだけど、庶民の私は動かない方が落ち着かないのよね。
ポインセチア柄のテーブルクロスを始め、大晦日だというのにクリスマスの雰囲気たっぷりです。みんな揃ってのディナー、ケーキをいただいたり、プレゼント交換をしたりといったことは、ギリシャでは大晦日にするそう。
が、私たちは元旦に朝5時起きで空港に向かう必要があるため、プレゼント交換の後、フライングで1時間前倒しでケーキカットをすることにしました。
病気で塩分摂取を一切禁じられている義母の何よりの楽しみは甘いものなので、私たちのフライト云々がなくても義母が待ちきれなかったような…?
実は義母には受け入れてもらえていなかった私。もともと気難しく、隣り町に住む実の妹とも10年以上口を聞いていないという人。母1人子1人の息子を外国人の私にとられると思ったのか、お付き合いし始めた頃からいろいろなことがあり、何をしても裏目に出てしまっていました。自分のことをさほど知らない人に拒絶されるのは私も辛く、彼とは結婚しなくてもパートナーとして一緒にいればいいかなぁ、と思っていたのでした。だから主人と付き合い始めた頃からもう7年にもなるのに、クリスマスやお正月を義母と一緒に過ごすことはなかったのです。毎年クリスマスは私と過ごした後、主人が1人ギリシャの義母のところに向かっていたという…。そのため今回のギリシャ式クリスマスやお正月は全てが新鮮。
周りからは「子供ができたら変わるよ」と言われながら、我が義母に限ってはありえない、と思っていたけれど私たちに子供ができて義母の態度が急変&激変(やはり人の子であったか)、さらに最近は痴呆が始まり昔のことは忘れてしまったのか、今回の滞在中、終始「ありがとう」「あなたは、私の家族なんだからうちでは自分の家と同じようにリラックスしてね。」と言ってくれた義母。そんな義母だから、一緒にクリスマスや新年を祝うこともないかと思っていたし、私からのクリスマスプレゼントを喜んでくれるとは思ってもいなかったのです。この時は「私の大切な娘」と言ってハグしてくれ、受け入れてくれたんだ、という思いは私にとって何よりのプレゼントになりました。
さてさて、話はケーキに戻り。ケーキを切るのもまた儀式。まずは「聖母マリア」のためにひと切れ切ります。次は「家内安全」、そこから年長者の分から家族分をひと切れず切っていきます。なんだかこういう感覚って、日本みたいだなぁ。すでに寝ていた我が子のためのひと切れのために入刀したとき、アルミホイルに包まれたコインが出てきました。ホールに1つコインが入っていて、これに当たった人は新年の幸福を約束されるのだとか。キミはまた私から若さも体力も奪って成長していくのね…。
翌朝のフライトのために早寝しようと思ったら、「カウントダウンを見ましょう」と義母。みんなでテレビのある部屋に移りました。ここまできたら睡眠不足での子連れフライトを覚悟…。アクロポリスをバックにした特設会場にたくさんの人が集まり、アテネ市長のスピーチを聞く様子が中継されていました。「次期選挙を意識してのスピーチだね」と辛辣なコメントをする義母と主人の会話の後、いよいよカウントダウン。ギリシャ語でのカウントダウン、ゼロになったとき、アクロポリスをバックにたくさんの花火が打ち上がりました。
この写真は数年前の春に撮ったもの。