出産予定日まであと約2週間。今日はNeuvola(ネウボラ)に検診に行ってきました。

 

今月初めから産休をいただいた私。フィンランドの産休は4ヶ月、その後の育休が5ヶ月、その後子どもが3歳になるまでお休みをもらうことができます。100%のお給料をもらうことができるのははじめの4ヶ月だけですが、その後も国からの補助があり、復帰したいときに会社に連絡をすればいつでも復帰できます。

 

フィンランドでは妊娠がわかると、自分の住む地域のNeuvolaに連絡をし、月に一回の検診を受けるようになります。Neuvolaとは妊婦、就学するまでの子どもの検診をしてくれる自治体の機関です。

私が行っているNeuvolaの管轄地域。ヘルシンキの中心部にはだいたい半径5キロ圏内に一か所はあり、住んでいる地域で指定されているNeuvolaに行くことになります。うちからは徒歩5分!

 

妊婦だけでなく、幼児、子どもの健康状態も見るので、待合室にはおむつを交換する台があったり、おもちゃがあったり。またいらなくなった子ども服をほかの家族に「使ってください」と置いておく場所、バギーを置いておく場所も室内にあります。

 

実際の検診は個室で。

 

ヘルシンキ、エスポー、ヴァンターのフィンランドの「首都圏」で分娩できる病院は3つしかなく、すべて公立の病院です。検診自体は私立の病院を選ぶこともできますが、公立の機関はすべて社会保険番号で個人情報が管理されており、公立の病院とは情報共有しない私立の病院だけに行っていると、分娩の時に妊娠中の経過が全くわからないのだそうです。

 

特別に問題がない妊娠の場合、妊娠期間中に約10回Neuvolaでの検診があります。Neuvolaにいるのは看護士さんで、体重、血圧、尿検査(約束の時間までに自分で検査をしておく。糖やたんぱくの量を検査する)、血液検査(毎回ではない)、子宮の大きさ、心音を見て、他に問題や悩みがないかを聞いてくれます。担当の看護士さんは決まっていて、1人につき約1時間を目安にしているようです。質問が多くなって時間が押しても、途中で終わることはありません。そのうちの2回はお医者さんが診てくれます。

 

またNeuvolaには超音波の機械がないので、妊娠中2回ほど超音波のある分娩ができる病院に足を運ぶことになります。 尿検査や血液検査でひっかかった場合は別途ラボラトリーに行く必要がありますが、Neuvola、お医者さんの検診、超音波、検査はすべて無料です。(高い税金を払ってきただけのことはある!)

 

とにかく「リラックスして、妊婦生活を楽しんでね」と言われるばかりで、日本人の平均的な体形の私が体重はどのくらい増えてもいいものか聞いたところ、「20キロくらい増えて大丈夫よ!」と。食べ物については「食べてはいけないものリスト」が渡されますが(汚染の進んでいるバルト海の魚は食べてはだめ、など)、それ以外は特に何も言われることなく、今日は9回目の検診を終了。

 

もう一つフィンランドで有名なのは、マタニティー・パッケージでしょうか。政府から送られてくる、子どもが一歳になるまでに必要なものが詰まっていて、合計42アイテム、8キロもあります!毎年デザインが変わりますが、男の子も女の子も同じデザインです。

 

2016年のマタニティー・パッケージをもらいました。フィンランドの真冬を乗り切るためのあったかい洋服も。すべてフィンランドの会社の製品。この箱をベビーベッドとして使う人もいるのだとか。

 

社会保険庁Kelaのウェブサイトより、2016年のマタニティー・パッケージの中身の写真。ベビー服以外には、爪切り、体温計、おもちゃ、絵本などがぎっしり詰まっています。

 

高い税金を払ってきた甲斐があったけれど、ここまでいろいろ無料ってすごい社会だなとつくづく思います。