フィンランドは今週から郵便局のストが始まりました。日本の郵政省が民営化したのと同じくらいの時期に民営化したフィンランドの郵便局。社長はフィンランドの高所得者のうちの1人なのに、このたび労働者たちの賃金を大幅にカットすると発表した結果、ストライキが始まりました。しかも4週間に渡る可能性があるとのこと。


え…今のタイミングでストライキ?ギリシャからクリスマスツリーが届く予定になっているのに?


実は4年前からうちのクリスマスツリーやデコレーションが行方不明になっていたのです。


が、この夏ロドス島に行った時、「ドイツに置きっぱなしだったものを、仲良しのステファンがギリシャに送ってくれたんだー!」と大きなダンボールを持ってきた主人。その中に4年以上行方不明だったクリスマスツリーやデコレーションを見つけた時の私の喜びようは、まさに「小躍りする」という表現がぴったりでした。しかし、すでにフィンランドに持ち帰るスーツケースはいっぱいで、「クリスマス前にまたロドスにくるから、その時に送るよ。」と言う主人の言葉を信じて、泣く泣くロドスに置いてきたのでした。


その、ツリーやデコレーションがあと少しで届くはずなのに。ここにきて、12月8日まで続くと言われている郵便局のスト。


日照時間が極端に少ないフィンランドの11月は、クリスマスグッズが唯一生活を温かく豊かにしてくれると言っても過言ではない。ヨーロッパ諸国ではクリスマスの4週前のアドベントを待って飾るクリスマスグッズだけれど、フィンランドでは多くの場所ですでにツリーが飾られています。なのに、ストで我が家にはツリーがないえーん



そもそも、ギリシャ人の夫は、他のヨーロッパの人から見ても突飛な働き方をしています。出会って10年になりますが、その間に働いた国はフィンランド、ドイツ、スイス、スペイン、リヒテンシュタイン、イタリア。それも一口にスイスといっても、ある期間はジュネーヴ、またある時はベルン、またまたあるときはチューリッヒだったりと、ずっと同じ場所で長い期間働いているわけではありません。


そして出身国のギリシャにも、生まれ育ったアテネと、故義母の故郷であるロドス島、故義父の故郷のカステロリゾ島とそれぞれに家があったりして、日本人の感覚から見ると飛行機をバスのごとく利用して、ヨーロッパ内を北へ南へと移動しているのです。


と、一瞬世界を股にかけて働いているような印象のこの方、自分が移動する時に所有物も一緒に移動するという感覚がない。今も乗用車1台はマヨルカ島にあり、キャンピングカーはスイスにあるという…。そして「XXがないんだけど、フィンランドにある?」という連絡が海外からくることもしょっちゅう。引っ越しのたびに全部の荷物を背負ってでも一切合切持ってくる私とは明らかに感覚が違うのであります。


が、そんな私が主人にクリスマスツリーやデコレーションを託してしまった私が悪いんだよね。


ツリーはどこでも買えるけれど、デコレーションは、私がこれまで色々な国で買い集めてきたコレクションで、高価なものはないけれど大切なものばかり。でも、クリスマスが大好きな私は、フィンランドにもデコレーションをいくつか所持しているから、せめてツリーを買って手持ちのものを飾りたい。でも、「86ユーロ(1万円以上)かけて郵便局からクリスマスツリーを送ったんだよ!」と言う主人の前で、新しい(しかも86ユーロより安い)クリスマスツリーを買うのは失礼になるんだろうか…。


とりあえず、手持ちのクリスマスデコレーションを少しだけ飾っておこう。



太陽のないフィンランドから、明日はマヨルカへ。まだ一台ある車を取りに行くのです。しかし、10月から冬タイヤに変える法律のあるフィンランドで、今の夏タイヤのまま走行することはできない。そしてもちろん、マヨルカで必要のなかった冬タイヤは引っ越しの時マヨルカに持って行かず、フィンランドの友人宅に今も置いたまま。一体どこまで北上可能なのかな?まぁ飛行機で先に戻ってくる私には関係ないか。

久々に太陽を浴びてこよう太陽フィンランドに戻るまでに、郵便局のストも終わっていますように。