お久しぶりです。


花の子です。


私は今でもこの世界の片隅で、元気に生きております。

不妊治療を止めて若年更年期障害の治療中をして生理が順調に来ていまして19キロ痩せて、周囲の人にはビックリされています。

そんな不妊治療経験者としての過去を持つ、花の子です。


都内の優先席付近に、母親と女の子が乗り込んで来ました。優先席は一つだけ席が空いていました。私は母親に、席を譲って二人で座ってとお伝えしましたが、母親が娘だけでと言って、譲らせてくれません。

なので私は小さな女の子に聞きました。


「君は天使だね。

ママと座りたいよね?」


と聞いたら小さい天使は、


「うん、ママと座りたい!」


と無邪気に応えました。

本音と建前が交錯する都内の優先席の前で、圧倒的なパワーを放つ純粋で無邪気な笑顔でした。


私は席を立つ前に、女の子に頭を母親に了承を得て撫でながら言いました、


「天使ちゃんは、ママが大好きなんだね。

私もね、私のママが大好きなんだよ。」


と。


そう言って、私は席を立って電車の入り口付近の、右側に立ちました。その時、私の2人不妊治療で作り出されて私の自己免疫疾患で殺してしまった科学の子達に思いを馳せて、自然に涙が溢れました。


私の子達は、顕微鏡受精で作られたまさに“科学の子”でした。


二人とも心拍が確認出来た後、一人は障害のあった子ですが、もう一人は正常卵で通常だったら生まれてくるはずの子で、二人とも女の子でした。


私は不育症です。


自己免疫疾患


抗リン脂質抗体症候群


がなければ、生まれてきたかも知れない命。


私は自己免疫疾患の為に、自分の大切な娘達を殺してしまいました。


電車の中で、母親と無邪気に座ってありがとうという笑顔の小さな天使に手を振って、私は


「私の科学の子達の分まで、同じ女性として幸せになってね。」


と心の中で祈り、涙が溢れました。


電車の中から青空を見上げました、流産をしてしまった”科学の子”である娘達の声が聞こえてくる気がしました。


「ママの事が大好き!」


と。


明日からまたママは頑張って、君達の分も生きて行くね。


と誓いました。


そんな風に、私は気ままな独身ライフを、東京で幸せに過ごしています。