最近


小劇場や商業演劇などで


江戸時代の設定の話を


いろいろ取り上げていると


嬉しくなる





ミュージカルなど


金髪が出てくる芝居も


いいお芝居はたくさんあるけど


洋服着てても


日本の芝居だな


と思うと


それだけで安心するようなとこがある




それでつい


特に私は 


着物の芝居を優先的に


見に行く傾向が高いのだけど




 


ホンや演出はすごいなと思っても


見た目


衣裳で損してるお芝居が多いなって思う




武家ものは


袴や羽織で


ある程度


形をとどめておくことはできるけど





世話もの


着流しは


帯ひとつでとめてるだけだから


貧弱にみえてしまう




若い男の子とかは


特に ウエストも細くて 脚長だから


バランスが着物体型とは程遠い


単に帯をしめただけでは


絶対に形にならない



それでもいいと


みんな適当にやってるから


というか わかってないままやってるから


結果 ぐちゃぐちゃな印象になって


芝居の印象が下がってしまう


もったいない‼️




歌舞伎の人や古い役者さんは


肉を自分の体型に合わせて


調整して


着物が沿う丸みを作ったりして


それが柔らかさを出し


着崩れを少なくしてる


一見


ぞろっと鷹揚に見える姿ほど


形で見せるのは


至極の技である





着物は


着崩れることを想定して


着なきゃいけないのは原則だから





和事でもやつしでもない


男なのに 襟が抜けていたり


襟の合わせ加減 襦袢の出し方


着物の合わせや


帯位置など


着崩れてもいかにサッとなおせるかが


わからないと


その世界にいる意味がない





心が乱れたり


暴力を受けたり


必死になったりをあらわすため


着崩れて見せるときもある


普段きちんとしてるキャラクターだからこそ


際立つときも多い




着崩れるといっても


役者さんによっては


襦袢の合わせ目ははだけないよう


紐でとめて


着物は着崩れても


肌を過剰に露出しないよう


工夫したりもあるらしい






そういうことは


漫画から衣裳をとってくるだけの


コスチューム担当さんでは


なかなかわからないと思う


役者さん達も


ただ踊りを習いました


だけでは


普通のお師匠さんでは


わからないと思う




そんな時は


もちはもちやで


天下の松竹衣裳さんとかに


お伺いを立ててみると


いろんなノウハウを教えて下さる





使うか使わないかは別として


知っておくべきことは


古典に学んで欲しいなと


私は思う




自前で用意することも


多いよね


着付けも自分でするよね


大変だけど


髪も含めて


見た目って大事なんだと思う




踊ってもいい


歌ってもいい


石井先生だって 


大店の若旦那にバック転させたりする




和ものだって


普通でいいと思う






若旦那だからと


やたら袖口つかんで歩いたり


しなを作ろうとして


いやらしくなったり


町人が見得きったり


不思議な光景があると


残念に思う







暴れても


乱れない


乱れても清潔感を保てる


美意識を持って


演じて 作ってほしいなって思う






十八代目勘三郎さんが


宮藤官九郎さんの作品で


着物でゾンビダンスを踊っても


きたなく映らないのは


基本である所作やお約束が


身に備わった人たちがやってるから


崩しても 復元力がある






芝居だってそう


搬入口を開けて


浅草でスカイツリーを見せたり


アメリカで現地のポリスを出したりしても


歌舞伎の 芝居のフォーマルさが


それまでの時間に


お客様に充分伝わってるから


その遊び心まで


歌舞伎の魅力だと伝わるんだと


私は思う