祖父と最後に唄った思い出の



道成寺






二十歳のときに



舞台で初めて道成寺を踊りました



既に猿之助さんにかぶれていたので



奴道成寺という



立役の 狂言師で踊る道成寺で



目玉である 三つ面を使う恋の手習いは



猿之助さんの完コピで









伯父の会で踊らせていただいたので



立役ということもあって



伯父に習いに行きました








若柳は若柳の振りがあるので



本来は許されないことと思いますが



生意気盛りの歳ゆきで



お面の件は沢瀉屋の形で



と直談判したところ



非常に怒られまして




母も一緒に頼んで



なんとか了承いただくことが叶いました









これは



のちの歌舞伎座で



山岡と どうして衣裳チェックに行ったか



という話に繋がるのですが



もし 聞きたーい



なんてことがありましたら



いつか会ったときにでも



コソッとお伝えしますね










奴道成寺では後半



からみ という とんぼを切ってくださる



役者さんに来ていただき



派手な見せ場を作る場合があり



一生一度だからと



母が頑張ってくれ



偶然来てくださったのが 沢瀉屋一門の



市川猿十郎さん 



事前の手合わせは 二回ほどしかないものの



若旦那ならこうやってるよ



といろいろ教えていただき



本番も踊りを見てくださって



若旦那と同じだったよ 頑張ってたね



と声をかけて下さり



嬉しかったのを思い出します



一座の殺陣師として活躍されてましたが



まだ若いうちに亡くなられたとのこと



残念です




高校時代の担任のお二人と


二回目の真理パフェでは



苦手な 本来の形の



娘道成寺に挑戦しました






道成寺は祖父にも習いましたが



とにかくいろいろな方への



お稽古をたくさん見ていました



その記憶と



高校時代から録りだめた 何百かの



ビデオテープの山のなかから



道成寺を取り出してみると



やはり人気狂言



中村歌右衛門さん
中村芝翫さん
中村富十郎さん
中村勘九郎さん
尾上梅幸さん
坂東玉三郎さん などなど





かなりの数で



携帯で録画して 電車でも見て



道成寺漬けの毎日



パフェ前は 深夜まで



誰かしらお稽古に来てくださるので



さすがにそれ以降はご近所迷惑かと



自分の稽古はなかなかできず



ビデオを見るのが精一杯






改めて見ると



古いやり方という



フィルターをかけて見ていたはずの



歌右衛門さんの踊りが



意外と斬新だったり



その方々ならではの小さな工夫があったり



都度魅入ってしまい



やっぱりすごい演目だなと思いました







衣裳は



あーだこーだみんなで相談して



ちょうど梅雨も明ける七月末の



二十一日だし



浴衣の道成寺も珍しくない?



など楽な案も出したものの



みなさんのブーイングがあり 結果



とても綺麗な振袖をお借りして



相もかわらず 襦袢の袖問題はありましたが







踊りだすと



今までインプットしたものを



その時のインスピレーションで



曲に乗せて取り出してゆく



そのパズルが自分では楽しくて








踊りを一緒に頑張っていた



美緒ちゃんのお知り合い



市川笑三郎さんや



同じ所属の大御所 



林与一さんも



客席にいらしてて



開演前は美緒ちゃんと



心臓が爆発するぅ‼️ と叫んでいたのですが



いざ 舞台に立つと



不思議と踊りと真剣に向き合うことができて



全然ダメだったと思うけど



あの長時間



ご覧になってくださったお客様には



退屈な時間だったかと



いまでも反省しておりますが






勉強の機会を持てて



とても幸せな誕生日(翌日)でした




一緒に踊ったみなさんからのお花🌸













奴道成寺の三つ面



いまなら マスク取り替えてやる



なんて どうかしら?