11月13日(火) 晴れ




今回の岡崎ジャズストリートで印象的だったこと。




岡崎信用金庫本店で歌った後のサイン会で、




「あて先は~~で」 と、男性なのに、女性の名前を言った方がいました。




一瞬、彼女へのプレゼントかしら、と思ったのですが、




「妻が大ファンで」 とおっしゃるので、ちょっと嬉しさ溢れ




「ありがとう、ぜひ、今度は奥様と一緒にいらしてね」 と言ったら、




「あの、癌で先日亡くなりまして」



「えっ・・・・」




思わず言葉を失いました。


なんて無粋なこと言ってしまったんだろう。




その方の手を強く握り締めるしかありませんでした。




その後、二回目のステージもその方がサイン会のときに来てくださり、


携帯の待ちうけ画面の奥様の写真を私に見せて、




「この回も妻と一緒に楽しみましたよ。」と。


泣きながらおっしゃられて。

私も思わずもらい泣き。

大の男の人が泣きながら言うのですもの。
よほど奥さんが好きだったのでしょう。

「元気だして。辛い時は、寂しいときは、音楽を聴いてください」




それしか言えませんでした。




私の歌が少しでも慰めになれば・・。




最近、こんな場面に時々出会います。


いろんな境遇の人が私の歌を聞いてくれていると思うと、軽い気持ちでステージに臨んではいけないと思いました。

実際、最愛の人を亡くした悲しみは、例えようも無いほど悲しい。




私も大好きな人が家族も含め、何人か天国へ行ってしまいました。




残された人間は、一瞬目の前が真っ暗になる。



もう、その人無しでは生きていく意味がないのでは、と思う事もあります。

それでも生きていかねばならない。




私は、歌うこと、音楽を聴くことで


少しづつ心の傷を癒しました。



そして、私が遭遇した悲しい話を、長きに渡ってただ忍耐強く聞いてくれる、優しい友達の存在の大きさ。

立ち上がるには本当に長く、長く、時間がかかります。


早く元気になってほしい。

それでも、この奥様はこんなに深く愛された。


幸せだったのかも。とか。いろいろ考えて。



こんなに深く愛されたら幸せだろうな。

私もそんな人に出会いたい。

奥様はきっといい人生だったと思います。



偶然お会いした方の涙で命の尊さ、そして、深い愛の素晴らしさを知る


そんな岡崎ジャズストリートでの一こまでした。



みんな、連れ合い、大事にしてな~。

今年はこんな場面に出会うことがあり、感慨深かったです。



ライブはいいな。

人との触れ合いで、こんな場面にも遭遇する。

歳をとるってこういう風にいろんな経験をし、大人になることなんですね。

歳をとることもそう悪くないかも

どうかどうか、あなたの人生に早く春の日差しが差し込みますよう、遠い地からお祈りしています。