8月12日(水) 晴れ


先週、「ウエストサイドストーリー」

ブロードウエイミュージカル版を

渋谷オーチャードホールまで見に行きました。


以前からずっと見たいと思っていました。

ネットをみたら、S席のチケットがあるようでしたので、

当日券をゲットし、いざ!



映画での素晴らしさが記憶に残っており、

さて、劇場ではどのように表現されるのか、

とても興味がありました。


特に、映画ではベルナルド役のジョージ・チャキリスのダンス、

アニタ役のリタ・モレノの歌とダンスと演技力、

マリア役のナタリー・ウッドの美しく可憐な存在感が印象的でした。


ミュージカルの贅沢さは、なんと言っても生のオーケストラと

一緒にダンスや歌やお芝居が繰り広げられる、という

事だと思います。


さて、始まってすぐに、いろんな役者さんが出てきて、

素晴らしいダンスが繰り広げられ、感動はするのですが、

頭の中からは、どうしてもさっき名前を出した、

3人のイメージと比べてしまう自分がいて、失礼極まりない。

と、自身で反省しながらも、なかなか感情移入できない辛さが。。


これが、カバーをすることの大変さ、とも思いました。

私も、CDを作るときに、特に思うことです。

すでに素晴らしい出来のものがある場合の

再構築の難しさを感じます。


しかし、このミュージカル、

見ていくうちに、どんどん引き込まれました。


レナード・バーンスタインの音楽、

ジェローム・ロビンスが振付けたダンス、

脚本のアーサー・ロレンツ、

作詞のスティーブン・ソンドハイムの創り上げた

素晴らしい芸術を、完璧に引き継ぐことを

使命として表現されていました。


現代の素晴らしい若き振付家、演出家の

ジョーイ・マクニーリーも情熱を傾けたのでしょう。


役者やダンサーを考えるより、その作品の素晴らしさに

だんだんと引き込まれていきました。

気持は次第にその作品を受け継ぐに相応しい

役者さん達のクオリティの高さに、尊敬の念がでてきました。


彼らもそれがプレッシャーでしょうね。

それでも、やはりアニタ役のダンス、

歌が特に光っていました。


パンフレットにありましたが、映画制作時に

ジェローム・ロビンスってあまりの振り付けのこだわりで、

時間や経費がかさみ、前半の4曲で撮影半ばで

解雇されたというエピソード。

う~ん、でもその前半の4曲、凄い迫力でした。


やはり、最後は、感動的なラストシーン。

涙無くしては語られない、その深いメッセージ。

人種差別の深い悲しみは、アメリカという世界中の

移民たちが憧れる夢の国であるのにも拘らず

この大きな国の闇の部分でもあります。


それは、私もニューヨークにいて感じた一面でも

ありました。


ところで、マイケル・ジャクソンはこの映画を

よく見て、アイデアを膨らませたという箇所を

沢山見つけました。

ビデオクリップで見たシーンとダブるようなところが

沢山ありました。

特に「BAD」のNYの地下鉄の駅構内のダンスシーンは

「Cool」の駐車場でのダンスシーンに似ています。

なんだか、ちょっと彼と共有できているようで、

嬉しかった。


マイケルファンは絶対見るべし。

マイケルの思考がよくわかります。


しかし、本当に感激しました。

いいものは、時を経ても残るのですね。

本物は普遍である、と感じました。


私もそういう作品作りをしなければね。

私が死んでも作品は残るわけですからね。

後世に残るから、後悔のないものを作りたい、

そんな気持にさせてくれた、ミュージカルでした。


よし、新作のレコーデイング、がんばるぞ。