ゴーゴーゴー


台風凄かったね!


帰宅難民でるほどだもん。


あんな豪雨の中、私が車を走らせてると

目の前にオッサンが飛び出してきたわけ。


オッサン飛び出し注意注意


なんて看板どこにもなかったわよ!


なんて思ってたら目の前にオッサンの姿はなく


あんら!

いやだ!

ワタスったら霊を見てしまったのー!!


とハンドルに頭をガンガン打ち付けてると

コンコン

と横に回り込んでいたオッサンにウィンドウをノックされた。


霊じゃなかったのは良かったけど普通に夜道のオッサン怖いわ。

ましてや豪雨の中だもの。

襲われて叫んだって周りに聞こえやしないし。


だから私はウィンドウをマンガ一冊入るか入らないかくらいの隙間を開けて、

『ど…どうしました?』

って勇気を振り絞って言ったの。

するとオッサンは


『&@*¥$%*+;@!』



豪雨とわずかな隙間のせいで何言ってんのかさっぱり。


けど一つだけ分かった事は、オッサンはかなり泥酔してるって事。

頭にネクタイさえ巻いてないけど、それ以外はザ・酔っ払いのたたずまい。


この野郎

日本が台風ってゆうテロに襲われてる時にアルコールなんぞに逃げやがって!


歯を食いしばれ貴様ー!


と殴り掛かろうとした時


わずかマンガ一冊の隙間からオッサンが無理矢理中に何かを食い込ませようとしてくるじゃないか!


いやめっちゃ怖い!


私は死ぬほど叫んだ!



密室なのに!



『キャー!!何何何なの!ちょ!ちょ!オッサン!マジ!ちょ、チ、チーズ、チーズ鱈!?』



チーズ鱈?



チーズ鱈!?



オッサンが無理矢理滑り込ませてきたのは

呑みのお供チーズ鱈。


訳がわからずただひたすら怖かった。


そのチーズ鱈を


反対の窓から



ウリャーーーーーーーーー!!




とフリスビーのように投げ捨てアクセス全開で逃げました。




何かよくわかんない事ばっかだったけど、
冷静になった今オッサンは何を伝えたかったんだろう。