引き続き4月30日、夕刻。
ホテルの部屋で寛いで居ると、通訳のフミエ嬢から一斉連絡が。
会場の電気系統がトラブルを起こし、13時開演予定のイベントがまだ始まって居ないと言う。
時計を見ると現在16時半。
本来は迎えのバスが来るのが17時で、我々の出演時刻は確か18時台だったような・・・。
あんらま。
ホテルから出ると誰とも連絡が取れなくなるので、外出も出来ず軽い軟禁状態。
引き続き部屋でゴロゴロしながらテレビを見たりして過ごす。
台湾もそうだったが、中華圏の歌謡番組はいちいち演出がオーバーで面白いのよね。
涙を誘う感動的なバラードがお好きなお国柄なのか、歌手が歌いながら感極まってしまう事などしょっちゅうで、それを煽るように映し出されるのは観覧席でハンカチ片手に号泣するファンの姿。
こう云うの、嫌いじゃない。
2時間以上経過した頃、続報が。
「フェスは一応開催するそうです!ただ全出演者の演奏時間は短縮になります」
まだ開演してなかったんかーい!
結局我々の演奏時間は当初与えられた45分から20分に変更となった・・・
転換の方が長いんじゃないの?これ。
まあ、マカオまで行って結果的に演奏出来ずおめおめと帰国するよかマシ?
何だか面白くなって来てしまったので、軽く飲む事に。
最終的にバスの迎えは20時半、本番は22時15分からに決定。
ゆっくり支度をし、一行は夜の黒沙海灘へ。
張り巡らされたテントやランプの明かりはそれなりにフェスっぽい。
到着後はインタビューに応じたり、撮影会を行なったり
明日出演だと云う韓国のバンドの方と交流を深めたりしながら出番を待つうちに、或る事に気付いた。
誰も持ち時間守って無いじゃない。
こいつら、一体何分やってるの?
最新情報をフミエ嬢が都度報告しに来てくれるのだが、
どうやら更に押しそうだと。
しかも法律かなにかで野外での音出しは23時までと決められているらしい。
「えー!!私たち演れますか?」
従業員達も戸惑いを隠せない様子。
そーよね、だって明日帰らなきゃならないんだもの。
続く・・・