東急シアターオーブ公演「BIG FISH」

礼真琴主演のブロードウェイミュージカル。

同じくシアターオーブ公演、望海風斗主演「20世紀号に乗って」同様、映像に残らない幻の作品….

5月30日の初日から6月16日の千秋楽まで約半月。

幸いなことに、6月8日(土)15:30公演では3階席センターブロックから、そして14日(金)13時公演では1階のちょうど会場のど真ん中辺りのお席で観劇が叶いました。


ダニエル・ウォレスの小説をジョン・オーガストの脚本、アンドリュー・リッパの音楽で。

宝塚での演出は稲葉太地先生。


作品解説は以下の通り。


まるでお伽噺のように自らの人生を語り、周囲を魅了するエドワード・ブルーム。未来を見通す魔女や、共に旅に出た巨人の話、サーカスでの最愛の妻サンドラとの出会い等、彼の奇想天外な話は幼い息子ウィルを虜にしていた。しかし、大人になるにつれ全ては作り話に過ぎないと考えるようになったウィルから、エドワードは距離を置かれるようになってしまう。ある時、病に倒れた彼の元へ久々にウィルが帰ってくる。父の人生が本当はどういうものだったのかを知りたいと考えたウィルがその足跡を辿り始めると、次第にエドワードの真実の姿が明らかになっていき…。


ダニエル・ウォレスの小説をもとに、2003年にジョン・オーガスト脚本、ティム・バートン監督により映画化、2013年にはブロードウェイでミュージカル化された「BIG FISH」を、礼真琴を中心とした星組がお届け致します。心躍る音楽で綴られたファンタジックなミュージカル作品に、どうぞご期待ください。


1幕は冒頭の水の中のような画面センターの人魚から始まり、2幕目は冒頭はエドワードがサンドラの好きな花、黄色い水仙の花束を持って求婚する、青空背景の黄色い水仙の花畑で。





もう千秋楽なのでネタバレ込みでの物語は…ウインク

小さな町のヒーローであるエドワード・ブルームが人魚に出会って愛を知り、洞窟の魔女に人生の最後を見せられ、隠れ住む巨人を連れ出して共に冒険の旅に出る。サーカスのオーディションに出ていたサンドラに出会い、働きながら団長からヒントをもらい、彼女の通う大学で求婚。

幼い一人息子に繰り返し語ってきた彼の数奇で魅力的な人生。

しかし、成長した息子ウィルはホラ話と一蹴。

結婚式で秘密にしていた新妻の妊娠を喜びと共に暴露されて父と距離をおこうとするが、、、

余命短いエドワードの盛りに盛った人生譚から真実を炙り出そうと奔走するウィル。

そこには語られなかったエドワードの故郷の人々を救う英雄的な働きがあった…

父への疑いが晴れ和解する息子と、エドワードの葬式に集う「ホラ話」の登場人物の全てスター

千秋楽が「父の日」というのも素敵な符合。

心温まるアメリカンな平凡なセールスマンの愛と冒険に満ちた人生を父と息子の関係性にフォーカスを当てた家族の物語。

「オズの魔法使い」的なファンタジー要素が鼻につく方もいらっしゃるかもしれませんが、それを補って余りある登場人物全ての熱演と心のこもった歌の力。

人生を大切に生きよう,と思える珠玉の舞台でしたお願い飛び出すハート


キャスト別感想は…

⭐️エドワード・ブルーム(礼真琴)

ことちゃんありきのエドワード。

他のキャストは皆、過去と現在を2役で演じているのに一人、ころころ変わる時空軸をカツラと上着(パンツだけは常にベージュのチノパン^_^)だけで声も歩き方も自在に変化させて出突っ張りで行き来するスゴさ。そしてそれを感じさせない上手さよ…ラブ

ラストのナンバーは圧巻の一言。


⭐️ウィル・ブルーム(極美慎)

この公演の驚きNO.1,

成長振りに😢涙すら出てくる。

葛藤する息子としての演技は繊細で、センターでのソロ歌唱も堂々と声を張って不安感なく歌い上げる姿に、「エルベ」の新公辺りの,決して歌の人ではないスターオーラと愛嬌でそこに立っていた姿が記憶に残る身としては感慨深いの一言。


⭐️少年ウィル(茉莉那ふみ)

さすが108期首席。

愛らしくかしこい少年の演技が自然。

昨今の子役のレベルアップは花組の「アルカンシェル」イヴ役の湖春ひめ花といい、嬉しい傾向。


⭐️サンドラ(小桜ほのか)

険しい顔でエドワードを迷惑がるウィルをおおらかに優しく諭す包容力よ…

若々しく明るい恋女房っぷりが老年エドワードとの並びも良くて飛び出すハート

歌の力,歌に意味をこめる情感豊かな表現力には作品毎に磨きがかかっている観あり。


⭐️若き日のサンドラ(詩ちづる)

正直、ありちゃん(暁千星)と組んでいた本公演では可愛いけれどインパクトに欠けるし、星のセンター娘役としてはなこちゃん(舞空瞳)に遠く及ばないのに何故組み替え?と思っておりました。

おりましたが…今回のことちゃんとのデュエットで納得。美しいんです。声質が合うってこういうことだなと。ミニーマウスのような3人のアラバマの子羊ちゃんのパフォーマンスも可愛かったです

続きます