2024年 大劇場1月1日スタートの予定が5日15:30初日になるという異例のスタート。千秋楽は2月4日。
新人公演も東京のみとなり更に主演の体調不良による日程変更も。
また、1月11.18.30日の2回公演日の15:30公演を中止とすることで働き方改革に対応…
東京公演も2月29日,3月5日,19日、28日の18時公演と3月12日13:30公演を中止。
東京は2月23日から4月6日。
もともと話題作でチケ難公演でしたが、大劇場で2回、東京で4回観られたのは幸運としか言いようがありません…
初見はインド映画のあのシーンこのシーンが舞台ではどうなるのか興味津々で
結果、ビームの虎退治、総督邸の肉食獣を放っての襲撃、ラーマの人混みをかき分けての超人的な拿捕劇、ラーマをビームが肩車、などは割愛。
子供を救うサーカス並みのロープを使った2人の出会いは火🔥と水🌊のダンサーで巧みに表現。
見せ場のナートゥダンスはほぼオリジナルのまま。ラストのアクションシーンのラーマの弓矢も抜群の効果音付きでバッチリ再現されていました。
3時間の映画を約半分の時間の舞台にまとめ上げて尚且つ物足りなさを感じない
演出の若谷先生こと、谷貴矢先生の力を頼もしく思いました
キャスト別に感想を…
⭐️コムラム・ビーム 礼真琴
実は凄い戦士だが情に厚くピュアな人柄がことちゃんの持ち味にピッタリ
公演毎に1度は鞭打たれるのはもはやネタ⁉️
しかし、ここでの歌唱はやはり礼真琴の見せ場。歌声で観衆が暴徒と化すのも納得の説得力よ
総督邸でのパーティー用のおめかしスーツより普段の民俗衣装の方がキラキラ🤩なのがトップスター仕様^_^
⭐️ラーマ・ラージュ 暁千星
博多座でのジョン卿を経て今やお髭も板についたもの、なダンディイケメン✨
シャツイチの時の完璧なシルエットに息を呑む ラストの戦いの場面の弓矢でピストルを持つイギリス兵をバッサバッサと倒すカッコよさよ…
この作品はビームとラーマの男の友情物語。
少年ジャンプのような明るさと熱量の高さが星組にピッタリ。こんな風に組替えはスターを成長させるのだなとしみじみ。
⭐️ジェニー 舞空瞳
スコット総督の姪なれど、インド人や文化に敬意を持って接するピュアな博愛主義者。
ビームの憧れの女性ポジだが婚約者あり。
トップコンビが恋愛ではなく人種を超えた友情を育むのが新しい
ナートゥダンスの場面、インドのサリーの生地で作られたというピンクのドレスがお似合いで、とりどりのパステルカラーのドレスを翻して舞う娘役のセンターを務めるなこちゃんの華やかさといったら❗️
⭐️ジェイク 極美慎
ジェニーの婚約者。
こともあろうにビームに踊りの何たるかを上から目線で説く
踊りの名手として名高いトップスターに若手スターが投げかけるにはハードルの高かろうセリフとそれに続く踊りの手本は中の人の関係性込みで観客の笑いを誘う。これは極美くんの憎めない人柄もあっての笑い😆
最後、ジェニーに協力する体でインド
側に加担する流れも,人柄の良さが滲み出る。
出番は少ないが美味しい役どころ
⭐️キャサリン 小桜ほのか
スコット提督夫人にして、マッリを連れ去る全ての元凶
ビームの鞭打ち公開処刑の場面でも一際冷酷で完全なる悪役ポジなのに、どこか天然なお嬢様奥様キャラが滲んで憎みきれないのが中の人の持ち味故か。「悪気はなく」価値観の違いでやらかしてしまうヒトを存分に演じて。
舞踏会冒頭の青きドナウの変奏曲独唱場面は歌うことの喜びとその自在さに惚れ惚れする…
この人を2番手娘役として有する星組の贅沢さよ…
⭐️シータ 詩ちづる
ラーマを信じて故郷の村で待つ婚約者。
映画で観た、インド美人だから許される三つ編みをシンメに輪っかにして赤いリボン🎀を付ける髪型を忠実に再現して似合うのはスゴイ
癖のない美少女だけど、なこちゃん(舞空)小桜さんと個性炸裂の星娘に慣らされている目で見ると少し物足りなく感じてしまう…
⭐️マッリ 瑠璃花夏
ゴーント族の歌上手少女。
物語冒頭でインド歌唱法による透明感溢れるソプラノボイスで一気にそこは森の奥。
ことちゃんビームとのスコット邸での再会場面も2人の情感が溢れてとても良い。
今作品の成功はビームラーマのトップ2番手に首席の実力者を得たことと、歌唱力ある娘役を主要ポジに配することが出来たからこそと思う。
⭐️ラッチュ 稀しょうかずと
星組の御曹司、元宙組トップの貴城けい似のノーブルな2枚目に成長。何とか役に立ちたくて暗躍するが、却ってビームや仲間に危険を呼び込んでしまう。
許せてしまうのは真摯な演技故
指名手配の似顔絵もイケメン
⭐️ジャング 天飛華音
ラッチュ同様、気が急いて前のめりに行動しビームをハラハラさせるゴーント族仲間3名の1人。
熱い人柄が滲む演技でラッチュ同様許せてしまう
⭐️ベッダイヤ 天華えま
仲間3名の1人。一番控えめで落ち着いた人柄。
新公主演3回のスターでありながら同期首席のありちゃん(暁)に降られて惜しまれての今回退団。
こういう控えめで何でもハイレベルにこなせるスターが残ってくれると組の力はアップ⤴️するのだが…
⭐️オム 大輝真琴
退団者つながりで…
長く星組を支えてくれた上級生さん。
凰稀かなめちゃんが星組2番手最後の中日劇場公演の出待ちで,マイケル(大輝)待ちの可愛い外国人美少女がいたことなど思い出す…
ビームが身を寄せる修理工房の親方。
鞭打たれるビームを見て役人に恩赦を乞う姿に親方の親心が見えて😢
⭐️ヴェンカタ 朝水りょう
ラーマの父。反英運動に身を投じ、少年ラーマに後を託す。映画では結構な尺を投じたこの場面、舞台ではスピーディーに処理されるも、この人の持つ一種独特な切実な緊迫感が爪痕を残す。
⭐️エドワード 碧海さりお
スコット総督の秘書官?
基本嫌な奴ポジだが、舞踏会冒頭の総督夫人キャサリンのノリノリの独唱にやれやれ、といったリアクションをしたり、ところどころ人間味溢れる演技が入り、私の中での株が上がった
⭐️SINGER R R女 都優奈
今回の大発見🤩
地声歌唱の力強さよ
組長みきちぐさんとがっぷり四つに組んで地母神の如く君臨していました。
⭐️WATER R R女 水乃ゆり
元星組トップ娘役夢咲ねねちゃんを彷彿とさせる可愛いお顔にしなやかな抜群のスタイル。
いつもお歌頑張れ👍と見守ってきましたが、今回は冒頭から登場のダンサーセンターで大活躍✨
他にも95期トップ同期のひろ香くんがラーマ叔父で抑えた良い演技をしていたり紫りらちゃんがマッリ母をはじめあちこちで場面を締めていたり。
星組の総力が結集し、見事に形となって舞台にエネルギーを満たした傑作であった、と思います観られて良かった