「パリ症候群」と言う症状をご存知でしょうか。
パリに憧れてパリに旅行に行ったものの、
思い描いていた所とは大違い。騒音、交通渋滞、物価の高さ、人々の冷たさ。
パリジェンヌの思いやりのない対応に心が傷つき、
トラウマのようになってしまった状態らしいです。
当時、名前を聞いて、私は大爆笑。
どの様な状態か、どのような経験か、手に取るように分かったから。
だって、実際、パリは世界中でも1位を競う程、「タフ」な街です。
言語が出来ない、自分を主張しない、礼儀正しく対応する、そんな日本人観光客は
「いじめの的」として、足蹴に扱われている様子が容易に想像出来ます。
私もパリのイメージは大好きです。
エッフェル塔、歌壇、アコーディオン、モンマルトル、ワイン、
シェンゼリゼのカフェ、バゲットにパテ、シャンソン、石畳の裏道。
でも、これは、タダのイメージ。
実際のパリは、汚くて、うるさくて、危なくて、高くて、混んでて、
貧困の差が激しくて、嫌な奴が沢山いる、それも良く理解しています。
同じようにイメージと現実のギャップが大きいと思う街があります。
それは、ずばりL.A(ロサンゼルス)。
(ちなみにロスという言い方はカタカナ英語。Los( ロス)はスペイン語の
定冠詞にすぎないので、「ロス」といっても理解されません。カリフォルニアには
ロス〜という街が多く存在します。L.A (エルエー)というのが正しい省略。)
L.Aのイメージは、私も大好きです。
青い空、青い海、潮風、大きなビーチ、オープンカーで海岸をドライブ。
ビーサン、サングラス、ショーツ、Coffee to go、バレーサービス、
セレブ(ちなみに、celebrity セレブとは本来お金持ちの意味ではありません。
有名人の事です。有名人=お金持ちですが、お金持ちであっても有名人とは
限りません。有名でないお金持ちはセレブとは呼ばれません。)
2ヶ月だけワークショップでL.A に住んだ事があります。
沢山の良い思い出があります。
マリブのレストランでショーンペンのとなりのテーブルに座った事。
ファーマーズマーケットのスタバで、デーモンウェインズと一緒に並んだ事。
映画の撮影現場でジェリーオコネールをみたこと。
プール付きのお家に招待されたこと。サンタモニカの桟橋。キラキラの太陽。
バレーサービスのレストラン。コリアンスパ。ビーチ三昧。
でも、それ以上に嫌な思いを沢山しました。
人の足下を見る様な店員の対応、けんか腰のファーストフードの客。
偉そうな、嫌味ったらしい地元人。俳優、女優、金持ち気取りの人々。
そして何より嫌いだったのが、金持ちのボンボン(の車の運転)。
ぶつかっても、何しても、パパがなんとかしてくれる、と言わんばかり、
割り込み、追い越し、スピード違反。ハットトリック!
そんなのに、一日何人にでくわすか分かりません。
地元の新聞紙を開けると、整形手術のドクターの宣伝ばかり。
4時を過ぎると、ゴーストタウン化し、ホームレスの街となる中心街。
そのホームレスの横をポルシェ・カイエンで走りすぎる中年のカップル
永遠に25歳でいたいmidlife crisis(中年の危機)で抗うつ剤を飲む4、50代
チワワにセーターを着せ散歩してる、ブランドバッグを持つギャルが
物乞いしてるホームレスの前を見向きもせず通り過ぎる
ベストセラーしか売っていない、それも数少ない本屋
「子育てにむかない町だな」そんな印象でした。
家庭で子供に教える価値観、教訓、人生論、物事の善悪と、
外で実際に起こっている現実にギャップがあり過ぎて
何と説明したら良いのか、何を教えたらいいのか、分からなくなってしまう、
また、自分と同じ様な価値観の人と出会えるか悩んでしまう、それが現実のL.A。
10年程前まで猫も杓子も虜になっていたリアリティーショー。
その中で人気だったものの一つに、伝説のロックスター、オジーオズボーンと
その家族の日常を4年に渡っておい続けた「The Osbournes」があります。
その中の一話には、警察まで巻き込む程の隣人との諍いが集録されています。
何十億何百億という財産を持ちながら、隣人と喧嘩して、
近所の事でストレスを感じながら生活する、それがL.A。
パリとL.A。全く違う種類の街の大きな共通点。
それは、イメージと現実のかけはなれた街。L.Aの街に失望したあなた、
「ロサンゼルス症候群」と診断させて頂きます。