古代ローマ帝国のラテン語が長い時代を経て、徐々に変化して行き、
イタリア語、フランス語、ドイツ語、英語、スペイン語、オランダ語、等々の
現在のヨーロッパ言語が生まれたように、言語は常に進化、発展しています。
日本語もしかり。英語もまたしかり。英語が母国イギリスから、
新大陸アメリカに伝わってから、海を隔てた遠い未知の土地で、
徐々にもとの物とは異なる、アメリカ語に変化して行きました。
そうして、語彙はもちろんのこと、アクセント、話し方の抑揚まで、
イギリス英語とアメリカ英語は違うわけです。
イギリス英語はアメリカではしばしば煙たがられます。
それは、なぜか。答えは簡単。「偉そう」だから。
重苦しい伝統、社会、組織から逃れる為に、人々はヨーロッパから船に乗り、
新大陸を目指しました。それまでの貴族社会、階級社会、中世ヨーロッパの
価値観に縛られた社会を否定し、自由を重んじる新社会、生活を理想として、
現在に至ります。米国憲法修正第一項 (The first amendment the
United States Constitution) にもあるように、freedom (自由)の概念は、
アメリカではとても大切な価値観です。イギリス社会と対立するように、
存在しているアメリカ社会では、イギリス英語は、この国の成立した当時、
否定して切り捨てた価値観、社会を象徴する過去の形見の様な物であり、
過去の価値観、社会と一緒に切り捨て、否定し続けなければならないものなのです。
一方、伝統、歴史のある物が「格式のある物」「洗練された物」
と貴重に扱われる場合があるように、イギリス、イギリス英語もまた、
洗練されたものと捉えられるケースもたくさんあります。
つまり、上手く使えば「お上品〜」下手に使えば「嫌悪感を抱かれる」わけです。
これは私の個人的な意見ですが、イギリスアクセント自体は
それだけで嫌われる事はありません。むしろ、重宝されます。
嫌われるのは、言語、日常会話の口語用語の使用方法を改めない場合、
つまり、アメリカに住んでいながら、イギリスでの用語を使い続ける、
これが嫌われるのだと思っています。(ちなみに、イギリスでは
アメリカ用語でも特に煙たがられる事はありませんが。。。)
例えば、
地下鉄 tube, underground(英) subway(米)
アパート/マンション flat(英)apartment(米)
車に同乗する lift(英)ride(米)
エレベーター lift(英) elevator(米)
携帯電話 mobile(英) cell(米)
友達(ダチ)の呼びかけ mate(英) buddy(米)
「ありがとう」 cheers (英)thanks(米)
「loo(ルー:トイレ)」「telly(テリー:テレビ」などの
アメリカに存在しないイギリスの若者用語を使用してみたり、
罵り言葉でも、アメリカではよく「damn」を使い
イギリスではよく「bloody」を使う違いがあったり、
アメリカでは若い女性の間では合い言葉のように「Oh my god」を使うのに対し、
イギリスの若い女性は「gosh」を頻繁に使う等、用語の選択にも
ちらほらとお国柄が現れます。アメリカに住んでいながら、
これらの用語を改めない姿勢こそが、アメリカ人が嫌うイギリスなのではないか、
と、私は考えています。
一方で、これを利用して、自分のイメージアップにつなげようとする人もいます。
「Have a nice day」の返答として、アメリカでは「You, too.」が一般的ですが、
わざと、イギリスで使われる「And you.」を使ってみたりと。
ここだけの話ですが、イギリスアクセントを使うことで、
自分の知性をアピールしようとする人は、わりと沢山いるのです。