動物取扱業の
研修の通知が先日届きました。
動物を扱う人達が
取らなければならない許可のもとに
毎年一回行われる講習です。
コンサートホールの様な各会場を
埋め尽くすように
様々なペット業の人達が集まります。
席を同じくする人達の中には
生体販売者も
動物を展示することで
生活している人達も含まれています。
講習の内容は
ペット業の業務に必要な内容に終始します。
動物愛護のイベントでも
登壇している様な学者先生達も
この日ばかりは
愛護には一切触れませんから
この世界の闇の深さを
感じずにはおれない1日になります。
ちなみに、動物取扱業には
下記のような種類があります。
販売・保管・貸出し・訓練・展示
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/douso/dt_gyou/youken.html
愛護センターは
上記が関係する
全てのペット業を
指導統括している
行政機関です。
販売は・・・生体販売者
保管は・・・ペットホテル
貸出しは・・・競技や使役関連
訓練は・・・トレーナーやしつけ教室
展示は・・・動物カフェや生体販売
ね。
いくら殺処分ゼロと言っても
その反対の手で
全く方向性の異なる人達を
抱えているわけですから
蛇口を閉め切れる
訳がありません。
行政機関は
どんな人間にも
どんな職種に対しても
平等にいることしか
出来ないのです。
そこに、命に対しての
善悪はありません。
あったとして
勧告は出来ても
実力行使は出来ません。
動物愛護法が改正されて
これらのペット業界からの
犬の引き取りを拒否することが
出来るようになりましたが
相変わらず
資格を取得して
届出さえすれば
どんな人間でも
繁殖して売ることが
出来るままです。
この循環の
最終段階を法改正の前は
有無を言わせず
センターに
担わせてきたわけですが
それをセンターが
拒否するようになったら
引き取り業という
それこそ、犬猫達にとって
底なしの地獄が
創出されたのです。
でも、その業態の創出は
ペット業界からすれば
当然であるのかもしれません。
行政がダメなら
二番底を作ればいい
そこでまた、稼げばいい。
引き取り屋にしても
ブリーダーにしても
悪質であればあるほど
人の目を欺くことに長けています。
見せ部屋。
綺麗に整頓された施設は見学者用
バックヤードは
誰からの干渉も受けないために
必要な犬だけを
洗って見せ部屋に
連れて行くことぐらい
朝飯前なのです。
犬に口無し。
そうしたペット業界の許可申請を
法律の範囲の中で取り扱うのも
センターの仕事です。
ある意味
ペット業界自体の利権が
様々な法律で守られ
それを遵守して
様々なペット業に対しての
資格の付与や営業許可を出している
というのが現状なのです。
右手で愛護団体
左手でペット業界という構図が
ある限り殺処分ゼロは無理です。
欧米に展開されている
アニマルポリスの様な独立した団体
法的な行使権を持つ
組織が創出されない限り
不適切なペット業界の現状を
切り崩すことは出来ません。
愛護法の改正後
行政の受け皿を失った
ペット業界の中に
用済みとされた犬や
オーバーブリードーされた
犬達を引き受ける
引き取り屋が生まれました。
一部の愛護団体は
そうした需要に呼応する様に
ペットショップから直接
動物を引き取り
今度は「可哀想」を売りにして
寄付やご支援を募ると言った
ビジネス愛護に手を染める様な
事態を生んでいます。
生体販売を良しとした
動物愛護が
許されるとは思えませんが
「可哀想な犬達を助ける」という
言葉にその悪辣さは
隠されてしまうのです。
保護犬猫を迎えながら
結果、いつの間にか
生体販売業者の片棒を
担がされている場合も
あるのです。
年に一回の
動物取扱業者に対する
有償の講習会。
動物達をモノとしか見ない
悪辣で無慈悲な人間達は
法律や政治家
業界団体を挙げて
動物取扱業者に対する業務を
センターに担わせ続け
顔色一つ変えず
現状維持を貫き続けていきます。
センターの職員の心は動物達や
愛護団体に寄り添うものであっても
その業をもっと巨大な仕組みに
支配されているといえば
わかりやすいでしょうか。
絶望的に見えるこの状況ですが
彼ら、ペット業界や政治家が恐れるのは
唸りを上げるほどの
民意の高まりです。
民意が高まれば
生体販売が不振になります。
儲からなければ
立ち行かないのが商売です。
風評被害は困りものですが
それに近い風が
ペット業界全体に吹き荒れたなら
どんなに大手であっても
ペット事業全体を見直さなければ
ならない事態になります。
現にそうした
企業も出始めてきています。
ネットの普及により
10数年前には
考えられない速度で
様々な情報が瞬時に
国中を駆け巡る今。
保護犬猫の存在や
ペット業界の裏側
各地の愛護団体や
動物ボランティアの奮闘が
世間に周知される様になりました。
蟻が象を倒す。
その日は
もう遠くは
ないかもしれません。