愛護活動という

言葉自体が

かなり一般化

されつつある今

純粋な気持ちで

草の根的な地道な活動を

進む方もいれば

一方で、SNSや

マスコミ、政治家、獣医師会

ペット業界を巻き込んで

既存の愛護活動の

比にならない

お金を集め

名前を売る

愛護団体が

出現してきました

 

一般の興味のない方からすれば

「愛護」と

言っただけで

皆同じように

見えてしまう。

 

でもその内実には雲泥の差があり

地道にコツコツと誠実に

命と向きあってきた方達の多くが

そうした「ビジネス愛護」

引き摺り込まれた犬達や

そこに関わったことで

心に傷を負う人たちがいることに

大変、苦慮し心を痛めているのです。

 

こんなことを書くと規模の大きさや

注目度や集まるお金の額などに

やっかんでいるだけ

嫉妬しているだけ

と言われる方がいますが

犬達が安全で安心な環境の中

譲渡される方に対しても

安心と安全が確保された環境を

提供しているのなら

どうぞどうぞ

ガンガン

やって下さい。

と心から思っているのです。

でも、そうは言えない

事情があります。

 

そもそも、人と犬には

相性があります。

 

もし、マッチングが

不調なものであれば

人も犬も穏やかに

暮らすことは出来ません。

 

苦労して

生き延びてきた

犬達に

同じ苦労を

させないために

二度と飼育放棄に

繋がらせないために

譲渡は慎重にならざるを

得ないのです。

 

犬と人を思えばこその

段取りが

右から左に

犬を譲渡出来ない

大きな大きな理由なのです。

 

人と犬

どちらのことも

考えなければ

右から左に

犬をリレーするだけで

事は済むかも知れませんが

人と犬は

モノではないので

そんなに簡単に

いくわけが

ありません。

 

例えば

空き缶は

その辺に転がっていたなら

ただの意味もないものです。

空き缶が散らかっていれば

邪魔かもしれないし

危険かもしれない

いいことなんて一つもありません。

でも、それが

お金になるとしたら。

集めてきた人には

お金を払いますよとなったら

途端に空き缶は空き缶としての

価値以上の価値を

手に入れるわけです。

 

「ビジネス愛護」は

まさに

この構図です。

 

センターに集められた犬達を

引き取れば引き取るほど

税金や公金から

お金が引き出せるとしたら

あなたならどうしますか?

 

犬の命がお金になるシステム。

 

もはやどちらが

裏か表かもわからないほどに

精巧に出来たトリックの中で

「殺処分ゼロ」

という言葉を

私達は

私達の税金で

買っているのと

同じことを

しているのです。

そして、知らぬ間に

意図せず

生き地獄のような環境に

犬を送り出すことに

犬の命を

救いたい人達の善意が

加担させられているのです。

 

空き缶は集めてきて

圧縮して再生され

新しいものへと生まれ変わりますが

犬達は集められても

何かに生まれ

変わることはなく

ただ、老いていく

だけです。

 

空き缶には

手間がかかりません。

餌もいらないし

お散歩もいらないし

ウンチもオシッコもしません。

 

でも、犬達は生きていて

日々のお世話は

頭数が増えれば

増えるほどに

爆増します。

 

本当に犬が好きで

犬の行く末に心を砕いているからこそ

「全頭引き出し」

という言葉が

いかに荒唐無稽かを

実感するのです。

 

空き缶なら

袋詰めにして

空き地に山積みしていても

構わないでしょう。

 

でも、生きていて

人のお世話を必要とする犬達を

四角い箱に

詰め込んで

留置くだけで

犬の命を救っていると

胸を張れる

神経が知れないのです。

 

そんな無慈悲なことを

本当に犬が好きで

愛しているなら

絶対に

出来ないはず

なのです。

 

生老病死という

言葉があります。

 

命につきまとう

この四つの苦しみ。

四苦。

 

ビジネス愛護は

この四つの苦しみの

全てを

犬達に与えます。

 

閉じ込められて

生きる苦しみ。

ただ老いるだけの苦しみ。

怪我や

病いに晒され苦しみ。

そして、

誰にも

看取られずに死ぬ苦しみ。

 

ただ生かすという目的が

こんなに多くの苦しみを

犬達に与える

可能性を含むことを

多くの人

優しく善良な人達は

知る由もないのです。

 

ビジネス愛護の掲げる

キャッチフレーズに

魅せられて

そこに犬達への

幸せの祈りを込めても

その祈りで

幸せになるのは

犬達では

ないことを

どうか知って

いただきたいのです。

 

心無い人間が

心ある人を騙します。

 

不思議なもので

嘘が大きければ

大きいほど

人は簡単に

騙されるものです。

 

法律は

変わるものです。

 

ビジネス愛護の名の下に

集められた

数千頭の犬達の

多頭飼育崩壊

 

どうか、その光景を

思い描いてみて下さい。