愛護団体は

本来、保護された動物達を

癒す場所であり

人間が癒される場所では

ありません。

 

しかし、自らの気持ちが

弱り切っている時

どうしようもなく落ち込んでいる時

自分が心底嫌になってしまった時

自分以外の誰かの「力」になることで

逆に励まされ、それが癒しとなって

自分自身の気持ちを

取り戻すこともあります。

 

もし、愛護団体や

ボランティア団体に携わり

心が慰められ

癒されることがあるとするなら

そうしたことで

あってほしいと思います。

 

自らを癒すのは

本来、自分自身にしか出来ません。

それには、大なり小なり課題を

乗り越えなくてはなりませんし

その課題はどんな人生であっても

形を変えて登場するものであり

逃れることは出来ません。

 

そうしたことを

真摯に受け止めた時

初めて見えてくる世界に

答えがあります。

 

犬達の心には

イジメや差別はありません。

それを可能にするための

深い知恵と学びがあるだけです。

 

そんな彼らと

繋がるために必要なのは

テクニックや

理論ではなく

素直さという

心の強さ以外にはありません。

 

臆せずに

そして構えずに

その瞬間を見極め

受け止める

そのことでしか

開かれない道もあります。

 

心は目には見えませんが

言葉や仕草に宿ります。

犬達が見つめているのは

私達の言葉であり仕草であり

心そのものなのです。

 

愛護団体は

動物達が癒される場所であって

人間の癒しの場所ではありません。

 

しかしながら

彼らとの真摯な関わりには

人の心を成長させてくれる

深い学びがあると信じてもいます。

 

生きていることと

死にゆくことが

近いようで

あまりに非日常的な

話になってしまっている

現代だからこそ

生きることと

死にゆくことが

痛みを持って

日々繰り返されている

愛護団体や

保護された動物達の

実社会に果たす役割は

想像を超えて

大きいような気がしています。

 

動物の置かれた現状を考えるということは

私達一人一人が社会と向き合うことであり

人間が人間らしさを

保つ為に必要なことであると思うのです。