例え方があまりに
陳腐なだけなのか
それとも、あまりに
無知過ぎるだけなのか。
いずれにしても
掲げている看板の大きさを
考えれば考えるほど
犬の本能を甘く見ている
あまりに稚拙な言葉の数々に
呆れて言葉を失いました。
犬の生理的な欲求は
生命活動そのものであり
人間の食欲と同じです。
人間でさえ
究極的に
理性で抑えるには
限界があることを
なぜ、犬達は
気にしていないなどと
言えるのか。
人間の願望成就ばかりに
重きを置けば
犬に与えるべきニーズが
おざなりにされるのは
自明の理です。
たくさんの犬達を
囲い込む一方で
使役犬を育成する
トレーナーの育成も
目指されているようですが
こちらの代表然り
数多いる訓練士や
トレーナーと呼ばれる人達が
犬の心理や本質を
きちんと理解しているとは
残念ながら限りません。
使役犬と呼ばれる犬達は
必要なことを
必要なだけ
やれることが
一番賢く良しとされます。
なんの疑問も持たず
様々な方法で犬を興奮させ
コンピューターに
インストールするかのように
犬達に何かをやらせ続け
アドレナリン中毒に
出来る人こそが
業界内で言われるところの
優秀な訓練士であり
トレーナーであるのです。
人間が使役犬に
求めることは
犬達にとっては
意味のないこと
ばかりです。
犬達に一方的に
何かを強いることを
目的としていれば
犬の心理を読むための
観察眼はかえって
邪魔になるのですから
犬の心理を
学ぶこと自体
必要がないのです。
犬達にとっては
無意味なことばかりを
やらせ続けながら
犬の本質やニーズには
無頓着なんて
どこが「動物福祉」
なのでしょうか?
使役犬達は
その小さな身体と
大きな愛で
身勝手な人間の欲望に
命懸けで
応えているのです。
犬達による人命救助は
人間にとって最高の
美談ではありますが
犬達は、人命救助自体に
価値を見出したり
喜んだりしているわけでは
ありません。
どんな犬も
穏やかに
その命を
全うすることだけを
今も昔も変わらずに
望み続けているのです。