犬への正しい理解が

一般化すれば

トレーナーなんて

いらない

世の中になります。

 

私がこうした活動を始める前

「トレーナーは

自分がなりたくて

なれるものじゃない

人から求められて初めて

なれるものですよ」と

話してくださった方がいました。

 

私はその言葉を「初心」とし

ことあるごとに

思い出しております。

 

日常のお散歩や

ドッグラン

旅先など

犬を連れていれば

自然発生的に生まれる

コミュニケーションの中で

犬の飼い方に

悩まれている方や

危険な状況に行き会えば

一飼い主として

悩みや状況をシェアするうちに

結果的に

その場を安全に過ごせるよう

アテンドしたり

することがございます。

 

人は興味のないことや

悩んでいないことには

関心を向けませんし

良くも悪くも

吸収することは出来ません。

 

いくら良かれと

思ってのことであっても

相手にとって

押し付けになってしまえば

なんの意味もありません。

 

犬を飼う人が

等しく持つべき知識は

同じでも

犬が10頭いれば

10通りのアプローチが

必要であり

それは

飼い主さんに対しても

同じです。

 

習ったことを念仏の様に

唱えるばかりでは

適切なアプローチを考えるための

発想力や創造性は

育まれませんし

生まれるものでもありません。

 

自分の犬の扱いに悩み

犬のしつけを師匠から学んで

トレーナーになったと

恥ずかしげもなく言う人が

時々おられますが

そもそも

自ら迎えた犬に対して

人に教えを

乞わなければいられなかった人が

例え、やり方や考え方を

習ったとはいえ

なぜ、他人の犬に

手を出す気になれるのか

私には到底理解出来ません。

 

どんなに有名なトレーナーに

師事していたとしても

その人自身が

優秀なわけではありませんし

自分自身の

様々な経験の中から

導き出した論拠があれば

そんなものに依らず

他人の名前を騙って

活動する必要もありません。

 

独自の論拠や信念も

資質も持ち合わせない中で

トレーナーになるということは

人の為、犬達の為と

大義を謳いながら

私利私欲を満たすために

人と犬の絆に胡座をかいて

甘い汁を吸い続ける

業界団体の発想と

同じ様なことなのではないかなと

思いもするのです。

 

改めまして

私に弟子は

おりませぬm(_ _)m。

 

一人一人に

私がお教えすることは

その人や

それぞれの犬に対しての

私自身の見立てに依る

処方箋の様なものなので

何方かに、お教えた

やり方や関わり方が

他の人や犬に

当てはまらないことがあるのは

至極当然の事なのです。

 

自分の犬を育てることと

他者や他者の犬を

手助けすることは

まったく違うものです。

 

処方箋として

お教えしたこと

お伝えしたことを

身勝手な解釈のもとに

私の名前を騙りながら

他者や他所の犬に

押し付けて歩くなんてことは

それが善意や

正義感からの行動であったとしても

相手の人や

犬達の安全のためには

あってはならないことであり

完全なマナー違反なのです。

 

ルイスに

必要なことと

ココアに必要なことは

違います。

そして

その教え方すらも

異なるのです。

 

大きくても

小さくても

どんな犬でも

犬は犬。

しかし

同じ犬種や

年齢であったとしても

一頭一頭の個性は

様々なのです。

 

個々の犬の見極めが

正しく行われていなければ

どんなに高尚なことを

言って歩いても

なんの役にも立ちません。


ドッグランが各地にでき始め

犬の社会化の重要性が

叫ばれる様になってきましたが

犬同士が

群れていさえすれば

犬達の社会性の育みが

自然に進むかといえば

そう単純なものでもありません。


犬の社会は本来

人間の存在を前提に

構成されていますから

そこに適切な

人間の振る舞いがなければ

本来の「犬」という

動物としての育ちは

満たすことが出来ないのです。

 

犬達に対して

信頼と尊重を礎とした

社会性を

教えなければならない

人間の側が

信頼を軽んじ

他者を尊重することが

出来なかったなら

犬達に一体何を

教えることが出来ましょうか。

 

犬との関わりを

正しく理解してもらうことを

他者に願う時

高圧的に

通り一遍の言葉しか使えないなら

その言葉はおそらく

その人自身の中から

発せられたものではないですし

その人が本当に

そのことを

正しく理解しているかも

定かではありません。

 

犬を介して

知り合う人達との繋がりは

常に学び合いであり

権威的な振る舞いや

差別的な言動など

あってはならない

態度ではないかなと

自戒を込めて

思い至っている次第です。

 

トレーナーが

100人いる世の中よりも

自分の犬と穏やかに幸せに暮らす人が

100人いる世の中であってほしい。 


それが私の

偽らざる願いであり

活動の原動力なのです。