犬を飼う人の中には
健康な身体に
メスを入れるなんて
可哀想だから…
避妊や去勢はしたくない
という方がいます。

犬を大切に思えばこそ 
必要なしつけや避妊去勢を
犬を思うフリをして
後回しにしたり
取り組まずにいるのは
愛情でも優しさでもなく
ただの怠慢です。

多頭崩壊という
この地獄は
動物や命に対しての
人間の生半可な考えと
中途半端な愛情が
生み出した現実です。

人間社会に生きる犬は
人間と同様に
自然から乖離して
人間社会に
生きる糧を見出しました。

ですから
「自然」を基準に…
すること自体が
ナンセンス。

犬達の出生数をコントロールし
犬一頭の生活の質を上げるのが
動物愛護の本筋です。

避妊去勢に関して
消極的なことを言うのは
その裏に
犬ファーストでない
何かがあると
考えざるを得ません。

本質を見極め
縁あって迎えた犬達と
たおやかな共生を実現し
穏やかで掛け替えのない絆を得て
おひとり
おひとりの人生が
より豊かなものへと
昇華されていかれますことを
心から願ってやみません。

人の孤立が犬の孤立を生みます。
人の苦しみが犬の苦しみを生み
人の喜びが犬の喜びを生みます。

その逆もまた然り。

目の前に地獄を作り出すのも
天国を作り出すのも
この心一つです。

犬達は
私達人間が
人生の真実に気付くことを
静かに待ち続けています。

この地獄のような部屋で
亡くなられた方も
まさか、自分が
こんな地獄を
作り出すことになるとは
思ってもいなかったのではないかと
思うのです。

もう、その方の真意を
確かめることも出来ません。
地獄のような現場に
生きざるを得なかった犬達。
それでも
犬達はその飼い主を
責めることはないのです。