犬の命が打ち出の小槌。
同じ人間として
恥ずべきことです。
しかしながら
ある意味で
それは
人間の性
なのかもしれません。
だからこそ
命の売り買いに
手を出しては
ならないのです。
繁殖犬達は
ロクな餌も水も
与えられず
足の踏み場もないような
糞尿まみれの
薄汚いケージの中に
オスとメスを押し込んで
本能のままに
妊娠させ
栄養など与えられることもなく
日々ガリガリになりながら
命懸けで産ませ
お乳も出ない身体で
母犬は本能のままに
子の世話をします。
そんな命懸けで
子を産ませながら
休む間も無く
母犬は
また、妊娠させられます。
そして
また、産まされるのです。
ミックスと言われる
チワックスなど
異種交配になれば
出産のリスクは跳ね上がります。
麻酔無しの帝王切開で
仔犬を取り出されて
死ぬ母犬も多いのです。
この間
人間は何もしないのです。
すべて犬まかせ
何一つ関わることなく
命を搾取し続けているのです。
一方の幼犬達は
やっと目が開くか
開かないかの小ささで
見た目がわるい
色が悪い
疾患があるなどすれば
傷んだタマネギのように
容赦無く
処分されていきます。
運良く残されても
生きていくのに必要な免疫を
しっかり獲得させることもなく
箱に詰められて幼犬のうちに出荷。
余談ですが
量販店の裏側では
あらゆる命が
その店のなかで循環されているという
悍ましい現実もあるようです。
店先で見栄えよく
綺麗なケージに入れられて
抱っこ商法
運命商法で
犬の飼い方も
わからない人間に
散歩なし
ケージ飼いで大丈夫なんて
人間に都合の良い
甘い言葉ばかり重ねて
売り付けるのです。
本当の動物好きには
出来ないのが
業界の仕事です。
産まされ続ける犬も
売られる犬も
それを買わされる人間も
被害者です。
珍しい色
好まれる色や大きさ
すべてが商売目的で
作為的に動物実験のような
繁殖を繰り返して
作出していくのです。
業者間では
血統証は紙切れ同然。
その裏付けは
果てしなく怪しく
お金で動く世界です。
人間が理想とする
犬種の育種完成までに
何千何万の命が
遺伝的な疾患や
理不尽な扱いを受けて
死んでいる現実を
ブリーダーが語ることは
ありません。
何を求めて
犬を飼うのですか?
色や形に拘る
人間がいる限り
犬達の不遇な時代が
終わることはありません。
ペット業界
最大手の
犬種認定団体のトップは
法律によって
崩壊の始まった
専業ブリーダーの代わりに
傘下の会員による
素人ブリーディングを
今後推奨するような
体制作りに内々に
大きく舵を切ったという
噂もあります。
子犬なくして
いまのペット業界は
成り立ちませんから
法律を変えさせないように
業界団体が全力で
阻止しながら
法の目をかいくぐり
いまも子犬は
バックヤードで
生み出され続けています。
行政が新しい法律で
業者からの
犬の引き取りを拒否した分
各地の愛護団体が
犬たちの命を盾にされながら
体の良い
「引き取り屋」という役割を
結果的に引き受けてしまうと言う
本末転倒な
現象も起き始めています。
どこまでも抜け目なく
法律や政治家を
あらゆる手段で丸め込みながら
巨大化していく
業界団体の商魂の逞しさには
辟易します。
犬関係の業種の
ほぼすべて
揺り籠から墓場まで
その裏側で
持ちつ持たれつの
ズブズブの関係です。
人間による
人間のための
ペット業界ですから
動物の命や尊厳は
二の次三の次。
絶対に必要なものもあるけれど
そうでないものの方が
いまは、明らかに多いのです。
嘘は大きければ
大きいほど
気付くのが難しい。
当たり前を
疑う見識が
たくさんの命を
救うことに
繋がるのです。