WOWOWこの街の命に
素晴らしい内容です。
田中裕子さんの抑えた演技
感情に流されず現状のありのままを
登場人物一人一人の生活に絡めて
違和感なく理解させてくれます。
以前にも、愛護センターや
そこにまつわる人達を
取り上げた内容の映画もありましたが
どうしても「可哀相」を前面に押し出し
同情を煽り泣かせて終わり。
見る側に今いる場所で
自分に出来ることは何かを考えさせる
内容にはなっていませんでした。
誰かの身勝手さを嘆く前に
ただならぬ現状を叫けぶ前に
私達一人一人が
身近な理解者になり
その輪を繋げていくこと
良くも悪くも
自分の感情を癒すために
犬を利用してはならないのです。
犬達に向けられるべきは
感謝であり
人間としての謝罪です。
そして、その感情に行動が伴わなければ
そんな感情すら
持ってはならないということです。
図らずも
他者の命を奪うことが
他者の命を軽んじることが
他者の命を弄ぶことが
いかにその人自身の心の深部を病ませるか
その働きを知らないこと
知らせないことが
いかに罪深いことかを
私達一人一人が自覚し
今いる場所から
一人一人が始めなければならないのだと
改めて、感じ入っております。
人で無しは
人で無しが作ります。
心を手放して
掴める未来に
夢はありません。
犬という存在は
私達人間の心を正常化させ
私達人間同士を繋げゆく
最後の切り札だと
私は思っています。
彼らの献身的な
生き様は
私達が見失ってしまった
大切な何かを思い出させてくれると
信じています。
生きとし生けるものすべては
死を前提とした平等な存在であり
他者の存在なしには
その存在すら
認識することは出来ません。
シアワセは他者との
「繋がり」の中にしか見出せず
「繋がり」の中にのみ
人は犬は生きられるのです。
人間と同じように
犬は社会性の高い動物です。
犬達のように
他者を無条件に
尊敬信頼する勇気を持つためには
ありのままの自分を
受容していなければなりません。
犬達は
人間のかたわらで
人間がその長い一生を通しても
獲得出来ないかもしれない
そんな境地に
暮らしているのです。
だから、私は
犬に偉そうにする人
犬を見下すように憐れむ人
犬を身勝手に愛する人が嫌いです。
その心にある矮小さが
犬達の散々な現状を
作り出していると
感じているからです。
犬達はその静かな眼差しで
私達人間一人一人を見つめています。
WOWOW
「この街の命に」
機会がありましたなら
是非ご覧下さいm(_ _)m