3.11
5年前の今日。
犬と散歩に行っていた
近所の公園で
大きな揺れを感じました。
公園の地面が
大きなクジラの背中のように撓む姿
あの何とも言えない感覚は
今でも忘れられません。
被災地に押し寄せる強大な津波
崩れ落ちた数多の家屋
泣き叫び逃げ惑う人々
燃え上がる炎。
テレビで被災地の
惨状が伝えられるたび
あの雲間から
大きな神様の手が
現れたなら
あの津波を押しとどめ
逃げ惑う人々を助け上げ
あの燃え上がる炎や爆発を
食い止めることが出来るのに…
喉の奥に
熱く苦いものを感じながら
奥歯を噛みしめ
感情を押し殺しながら
そんな、ありもしないことを
ただただ、願うことしか
出来ませんでした。
あの大惨事のなか
あちらこちらで
飼われていた犬達は
どうしていたのか…。
非常時、私達飼い主に出来ることは
おそらく、想像以上に限られています。
私達犬飼いが
本気で犬を守りたかったなら
道具やモノを揃える前に
犬に人間社会のルールを教え
尊重させる姿を通して
まずは、地域の人々から飼い主自身が
「信頼」を得ることです。
普段の何気ない
近隣との交流のなかで
犬への理解を深めてもらうこと
人に迷惑をかけない
犬との穏やかな生活を
飼い主一人一人が
心掛けることこそが
飼い主にとっての
究極の防災訓練なのだと
個人的には思っています。
私達の心の
深い部分を受容する犬は
長い年月を共にすることで
ペットや家族などのカテゴリーを超え
時に私達の心
そのものになっていきます。
犬を守るために
いわんや
愛するもの
自分自身の心を守るために
私達が出来ること
すべきことは
日々の暮らしの営みの中
自分自身の心の中
目に見えないモノの中にあるのだと
思いを新たにしている次第なのです。